■どれがホント? 3種類ある食料自給率とは
文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
http://touch.allabout.co.jp/gm/gc/293643/
農業政策の見直しに加え、地球温暖化防止、食の安全などさまざまな観点から、食料自給率が注目されています。ところが、この食料自給率は、計算方法によって数値が大きく違うのです。それでは、食料自給率はどのように計算されるのでしょうか。
◆まず、食料自給率とは

▲トースト、ハムエッグ、サラダ、紅茶・・・自給率は何%?
その国の人々が食べている食料のうち自国で作られている割合のことを、食料自給率といいます。最近話題に上っている「食料自給率が40%を切り、39%となった」というのは、カロリーベースで計算した平成18年度の総合食料自給率のことです。
しかし、他の方法で計算すると、同じ平成18年度でも68%になったりもします。複数の計算結果が存在するのは、食料自給率にはいくつかの根拠に基づいた、計算方法があるためです。
大きく分けると、食料自給率には3種類の計算方法があります。 それは、
食料の消費カロリーで計算する方法
重量で計算する方法
生産金額で計算する方法
です。
◆カロリーベースは食料自給率39%
一般に、「我が国の食料自給率」と言っている場合は、カロリーベースの食料自給率(供給熱量総合食料自給率)を指しています。これは、食料は生命と健康の維持に必要なものであり、その必要なエネルギーをどの程度国産でまかなっているかという点に着目しています。
カロリーベースの食料自給率(平成18年度)
=(国民一人一日当たり国産熱量[996kcal])/国民一人一日当たり供給熱量[2,548kcal]×100=39(%)
◆生産額ベースは食料自給率68%に
たとえば野菜や果実は、同じ重量や同じコストで見た場合に、米やいもに比べて比較的低カロリーです。そのため、カロリーベースで計算すると、その食料を生産するために使った費用や労働力を正当に評価できないこともあります。そこで、経済価値に注目する場合には、より的確に示すために生産額を使います。
生産額ベースの食料自給率(平成18年度)
=(食料の国内生産額 [10.2兆円])/食料の国内消費仕向量[14.9兆円]×100=68(%)
◆重量ベースは主食用穀物自給率60%
食料自給率を世界の他の国々との比較をすることがあります。この場合、国によってデータの制約があるので基礎的な食料にのみ着目し、穀物自給率がよく使われます。
品目別に自給率を計算する場合にも、国内生産量、輸入量など、その食品の重さそのものを用いて計算します。
主食用穀物自給率(重量ベース)(平成18年度)=主食用穀物の国内生産量[万トン]/主食用穀物の国内消費仕向量[万トン]×100=60(%)
(米、小麦、大・裸麦のうち、飼料用を除く)
飼料を含む穀物全体の自給率(平成18年度)=主食用穀物の国内生産量[万トン]/主食用穀物の国内消費仕向量[万トン]×100=27(%)
特に、カロリーベースの食料自給率が40%を切ったことは最近大きな話題となっています。この算出方法についてもう少し詳しく見ていきましょう。
◆外国産エサを食べた国産豚は、計算されない
飼料用トウモロコシは、なんと自給率0%!
近年の日本では、畜産物が農業総生産額の約4分の1を占めています。じつは、外国産のエサを食べて育った豚肉や牛肉などは、たとえ国産でも自給率には算入されないのです。
農林水産省によると、平成18年度の豚肉のカロリーベース自給率は5%で、重量ベース自給率では52%です。豚の飼料の自給率が10%なので、重量の52%のうちの1割しか自給しているとみなされません。
言い換えれば、国産豚肉の重量は52%ですが、この内訳は国産のエサで育った分の豚肉が5%、外国のエサを食べた分が47%ということです。この47%部分は、自給率に貢献できない国産豚肉になります。
同様に、牛肉は重量ベースで自給率43%ですが、飼料自給率(27%)によってカロリー自給率は11%となります。鶏卵は重量ベースで95%の自給率でありながら、飼料自給率(10%)のためにカロリー自給率は10%となります。畜産物は高カロリーのため、エサしだいでカロリーベースの自給率を大きく動かしてしまうのです。
他にカロリー自給率の低い品目は油脂類(4%)、小麦(13%)ですから、これらの作物が国産できれば、計算上のカロリー自給率は引き上げられます。
◆米とイモ、和食中心で自給率引き上げ?
そこで、伝統的な日本食を食べるようになれば、食料自給率アップにつながる、などという意見が出てきます。平成17年3月に策定された政府の方針では、平成27年度にカロリーベースの総合食料自給率を45%に高める目標を掲げています。
昭和40年のカロリーベースでの総合食料自給率が73%だったことから、自給率を高めるには、昔ながらの日本の食生活に戻れば良いという声も聞かれます。しかし、現代の社会生活を考えると、米とイモを中心とした食事ばかりというのも非現実的でしょう。
消費者が日本の風土を生かした旬の食材を大切にする一方で、日本の優れた技術力で農業技術を引き上げるなど、現代版の食料自給率引き上げ方法があるのではないでしょうか。
しかし、昨今の食料自給率に絡む議論は「40%割れ」という数字が独り歩きをしている感も否めません。そもそも食や農の問題を、自給率の低さの問題にすり替えているようにも見受けられます。
食の安全は食の安全、農業政策は農業政策、食料価格の高騰は食料価格の高騰、食品廃棄は食品廃棄など、それぞれの問題はそれぞれをまず直視する必要があるでしょう。結果として、食料自給率が回復するのではないでしょうか。
【まとめ】
カロリーベースで食料自給率を計算すると、
畜産物のようなカロリーの高い食品が大きな割合を占めてしまう。
畜産業は飼料を輸入に頼っているため、
例え国内で育てたとしても、
食品自給率として計算されない。
そのため、カロリーベースでは食品自給率が低く計算されてしまう。
農林水産省はこの数字を使い、マスゴミに情報を流し、
マスゴミはよく調べもせず、
それをそのまま使って報道している。
(私の感想)
日本の官僚は、どこも日本の危機を煽るのが大好きなようですね(`へ´メ)
そして、マスゴミは自分達は何でも知っているかのように思ってますが、
本当は目の前のことが見えていないのです('A`)
この文章を読んでいる限りでは、
まずありえないでしょうけど、例えば経済封鎖されて、食料の輸入が出来なくなったとしても、
昔ながらの和食を食べていれば、さほど深刻な状況にならないということです!
ただ日本の畜産家は全滅してしまうかもしませんが…(ーー;)
成人病などの病気が増えたのも、伝統的な和食を食べなくなったからだというデータが出てますし、
日本人はこの辺で、、本気で食生活を見直した方がいいですね!('A`)
文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
http://touch.allabout.co.jp/gm/gc/293643/
農業政策の見直しに加え、地球温暖化防止、食の安全などさまざまな観点から、食料自給率が注目されています。ところが、この食料自給率は、計算方法によって数値が大きく違うのです。それでは、食料自給率はどのように計算されるのでしょうか。
◆まず、食料自給率とは

▲トースト、ハムエッグ、サラダ、紅茶・・・自給率は何%?
その国の人々が食べている食料のうち自国で作られている割合のことを、食料自給率といいます。最近話題に上っている「食料自給率が40%を切り、39%となった」というのは、カロリーベースで計算した平成18年度の総合食料自給率のことです。
しかし、他の方法で計算すると、同じ平成18年度でも68%になったりもします。複数の計算結果が存在するのは、食料自給率にはいくつかの根拠に基づいた、計算方法があるためです。
大きく分けると、食料自給率には3種類の計算方法があります。 それは、
食料の消費カロリーで計算する方法
重量で計算する方法
生産金額で計算する方法
です。
◆カロリーベースは食料自給率39%
一般に、「我が国の食料自給率」と言っている場合は、カロリーベースの食料自給率(供給熱量総合食料自給率)を指しています。これは、食料は生命と健康の維持に必要なものであり、その必要なエネルギーをどの程度国産でまかなっているかという点に着目しています。
カロリーベースの食料自給率(平成18年度)
=(国民一人一日当たり国産熱量[996kcal])/国民一人一日当たり供給熱量[2,548kcal]×100=39(%)
◆生産額ベースは食料自給率68%に
たとえば野菜や果実は、同じ重量や同じコストで見た場合に、米やいもに比べて比較的低カロリーです。そのため、カロリーベースで計算すると、その食料を生産するために使った費用や労働力を正当に評価できないこともあります。そこで、経済価値に注目する場合には、より的確に示すために生産額を使います。
生産額ベースの食料自給率(平成18年度)
=(食料の国内生産額 [10.2兆円])/食料の国内消費仕向量[14.9兆円]×100=68(%)
◆重量ベースは主食用穀物自給率60%
食料自給率を世界の他の国々との比較をすることがあります。この場合、国によってデータの制約があるので基礎的な食料にのみ着目し、穀物自給率がよく使われます。
品目別に自給率を計算する場合にも、国内生産量、輸入量など、その食品の重さそのものを用いて計算します。
主食用穀物自給率(重量ベース)(平成18年度)=主食用穀物の国内生産量[万トン]/主食用穀物の国内消費仕向量[万トン]×100=60(%)
(米、小麦、大・裸麦のうち、飼料用を除く)
飼料を含む穀物全体の自給率(平成18年度)=主食用穀物の国内生産量[万トン]/主食用穀物の国内消費仕向量[万トン]×100=27(%)
特に、カロリーベースの食料自給率が40%を切ったことは最近大きな話題となっています。この算出方法についてもう少し詳しく見ていきましょう。
◆外国産エサを食べた国産豚は、計算されない
飼料用トウモロコシは、なんと自給率0%!
近年の日本では、畜産物が農業総生産額の約4分の1を占めています。じつは、外国産のエサを食べて育った豚肉や牛肉などは、たとえ国産でも自給率には算入されないのです。
農林水産省によると、平成18年度の豚肉のカロリーベース自給率は5%で、重量ベース自給率では52%です。豚の飼料の自給率が10%なので、重量の52%のうちの1割しか自給しているとみなされません。
言い換えれば、国産豚肉の重量は52%ですが、この内訳は国産のエサで育った分の豚肉が5%、外国のエサを食べた分が47%ということです。この47%部分は、自給率に貢献できない国産豚肉になります。
同様に、牛肉は重量ベースで自給率43%ですが、飼料自給率(27%)によってカロリー自給率は11%となります。鶏卵は重量ベースで95%の自給率でありながら、飼料自給率(10%)のためにカロリー自給率は10%となります。畜産物は高カロリーのため、エサしだいでカロリーベースの自給率を大きく動かしてしまうのです。
他にカロリー自給率の低い品目は油脂類(4%)、小麦(13%)ですから、これらの作物が国産できれば、計算上のカロリー自給率は引き上げられます。
◆米とイモ、和食中心で自給率引き上げ?
そこで、伝統的な日本食を食べるようになれば、食料自給率アップにつながる、などという意見が出てきます。平成17年3月に策定された政府の方針では、平成27年度にカロリーベースの総合食料自給率を45%に高める目標を掲げています。
昭和40年のカロリーベースでの総合食料自給率が73%だったことから、自給率を高めるには、昔ながらの日本の食生活に戻れば良いという声も聞かれます。しかし、現代の社会生活を考えると、米とイモを中心とした食事ばかりというのも非現実的でしょう。
消費者が日本の風土を生かした旬の食材を大切にする一方で、日本の優れた技術力で農業技術を引き上げるなど、現代版の食料自給率引き上げ方法があるのではないでしょうか。
しかし、昨今の食料自給率に絡む議論は「40%割れ」という数字が独り歩きをしている感も否めません。そもそも食や農の問題を、自給率の低さの問題にすり替えているようにも見受けられます。
食の安全は食の安全、農業政策は農業政策、食料価格の高騰は食料価格の高騰、食品廃棄は食品廃棄など、それぞれの問題はそれぞれをまず直視する必要があるでしょう。結果として、食料自給率が回復するのではないでしょうか。
【まとめ】
カロリーベースで食料自給率を計算すると、
畜産物のようなカロリーの高い食品が大きな割合を占めてしまう。
畜産業は飼料を輸入に頼っているため、
例え国内で育てたとしても、
食品自給率として計算されない。
そのため、カロリーベースでは食品自給率が低く計算されてしまう。
農林水産省はこの数字を使い、マスゴミに情報を流し、
マスゴミはよく調べもせず、
それをそのまま使って報道している。
(私の感想)
日本の官僚は、どこも日本の危機を煽るのが大好きなようですね(`へ´メ)
そして、マスゴミは自分達は何でも知っているかのように思ってますが、
本当は目の前のことが見えていないのです('A`)
この文章を読んでいる限りでは、
まずありえないでしょうけど、例えば経済封鎖されて、食料の輸入が出来なくなったとしても、
昔ながらの和食を食べていれば、さほど深刻な状況にならないということです!
ただ日本の畜産家は全滅してしまうかもしませんが…(ーー;)
成人病などの病気が増えたのも、伝統的な和食を食べなくなったからだというデータが出てますし、
日本人はこの辺で、、本気で食生活を見直した方がいいですね!('A`)