アジアの大国中国、インドも参加しないTPP、
安倍政権もTPP交渉参加には容認姿勢
条件が合わなかったら脱退するという選択肢もゼロではない、なんてアメリカが許すわけないです。
日本では昨年から危険な秘密貿易協定として大騒ぎになっているTPP。環太平洋パートナーシップとか環太平洋戦略的経済連携協定とかいろいろに呼ばれていますが、中身が分からないのに一旦参加したら抜けられないと言われる馬鹿げた国際協定です。
米国でも一般には知られておらず、通商代表部が企業側と連携しながら進めているので国会議員でさえ内容を知ることができない始末です。交渉の草案がリークされて、ようやく議論に上るようになりました。
2011年3月に「知財関連の条項」(2月時点での米国の要求の完全版)がリークされたのに加え、今回(2012年6月)には「投資条項」の草案がリークされました。リーク文書を掲載している市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウォラック氏は、「これは貿易協定ではない、企業による世界支配の道具です」「1%の富裕層が私たちの生存権を破壊する道具です」と断罪します。
今回のリークで特に問題視されるのが、外国の投資家が現地政府を協定違反で訴えることのでき、いわゆるISDS(Investor State Dispute Settlement)条項です。
外国企業は事業を展開している国で政府を相手どり協定違反による損害を賠償せよとの訴訟を起こし、現地の法律や行政手続きにはしばられない海外の仲裁法廷に持ち込むことができます。政府による賠償は、その国の納税者の負担です。世銀や国連に設置される仲裁法廷で判事を務めるのは民間セクターの法律家であり、企業の顧問弁護士を生業とする人々です。明らかな利益相反にもかかわらず、仲裁法廷の裁定が国内法に優先され、主権が制限されます。
他にも様々な問題が指摘されるとんでもない協定ですが、こんな過激な案になったのも一部の利害関係者だけが集まって密室でこっそり進めたせいです。そんなものはドラキュラと同じで、日の光にさらせば一気に衰弱し、生き延びることはできません。国際条約の名を借りた悪法が、国民をだますような形でどんどん決められていく最近のパターンに対しては、情報の開示こそが最も声高に求められるべきことでしょう。
それにしても、米国側でも外国企業による国庫の収奪とか国内法規制の無力化への懸念が指摘されていることは注目すべきです。日本のTPP論議では、とかく「国益を守る」という言葉が国と国の間の貿易競争で有利な位置に立つという意味に変換されがちですが、産業界の利益と国民の利益は必ずしも同じではありません。あくまで国民の利益を守るという意味の国益の追求を論じて欲しいものです。
(中野真紀子)
【TPPは貿易協定の衣を着た企業による世界支配の道具】
2012年6月14日(木)
デモクラシーナウ!(米国ニューヨークにある非営利の独立放送局)
再生時間: 19分
文字起こし(一部のみ)
リーク文書でわかったTPPの正体とは?
表向きは「貿易協定」ですが、実質は企業による世界統治です。
加盟国には例外なく全ての規定が適用され、国内の法も規制も行政手続きもTPPに合わせなければなりません。
全26章のうち貿易関連は2章のみ、他はみな企業に多大な特権を与え、
各国政府の権限を奪うものです。
私たちのサイトに掲載したTPP投資条項によれば外国の投資家が TPP条約を盾に米国政府に民事訴訟を起こし、国内規制が原因で生じた損害の賠償を請求できるのです。
米国企業はみな同じ規制を守っているのに、これでは国庫の略奪です。
極秘で進行するTPP交渉には議会も不満を申し立てています。
約600人の企業顧問はTPP情報にアクセスできるのに
米国の議員はできないのですね?
こんなひどい内容をそれもリークで知るとは驚きです。
内容がひどいだけでなく、これは「1%」が私たちの生存権を奪うツールです。 交渉は極秘で行われました。
暴露されるまで2年半も水面下で交渉していた。
600人の企業顧問には草案へのアクセス権を与えながら、
上院貿 易委員会のワイデン委員長はカヤの外です。
安倍政権もTPP交渉参加には容認姿勢
条件が合わなかったら脱退するという選択肢もゼロではない、なんてアメリカが許すわけないです。
日本では昨年から危険な秘密貿易協定として大騒ぎになっているTPP。環太平洋パートナーシップとか環太平洋戦略的経済連携協定とかいろいろに呼ばれていますが、中身が分からないのに一旦参加したら抜けられないと言われる馬鹿げた国際協定です。
米国でも一般には知られておらず、通商代表部が企業側と連携しながら進めているので国会議員でさえ内容を知ることができない始末です。交渉の草案がリークされて、ようやく議論に上るようになりました。
2011年3月に「知財関連の条項」(2月時点での米国の要求の完全版)がリークされたのに加え、今回(2012年6月)には「投資条項」の草案がリークされました。リーク文書を掲載している市民団体パブリック・シチズンのロリ・ウォラック氏は、「これは貿易協定ではない、企業による世界支配の道具です」「1%の富裕層が私たちの生存権を破壊する道具です」と断罪します。
今回のリークで特に問題視されるのが、外国の投資家が現地政府を協定違反で訴えることのでき、いわゆるISDS(Investor State Dispute Settlement)条項です。
外国企業は事業を展開している国で政府を相手どり協定違反による損害を賠償せよとの訴訟を起こし、現地の法律や行政手続きにはしばられない海外の仲裁法廷に持ち込むことができます。政府による賠償は、その国の納税者の負担です。世銀や国連に設置される仲裁法廷で判事を務めるのは民間セクターの法律家であり、企業の顧問弁護士を生業とする人々です。明らかな利益相反にもかかわらず、仲裁法廷の裁定が国内法に優先され、主権が制限されます。
他にも様々な問題が指摘されるとんでもない協定ですが、こんな過激な案になったのも一部の利害関係者だけが集まって密室でこっそり進めたせいです。そんなものはドラキュラと同じで、日の光にさらせば一気に衰弱し、生き延びることはできません。国際条約の名を借りた悪法が、国民をだますような形でどんどん決められていく最近のパターンに対しては、情報の開示こそが最も声高に求められるべきことでしょう。
それにしても、米国側でも外国企業による国庫の収奪とか国内法規制の無力化への懸念が指摘されていることは注目すべきです。日本のTPP論議では、とかく「国益を守る」という言葉が国と国の間の貿易競争で有利な位置に立つという意味に変換されがちですが、産業界の利益と国民の利益は必ずしも同じではありません。あくまで国民の利益を守るという意味の国益の追求を論じて欲しいものです。
(中野真紀子)
【TPPは貿易協定の衣を着た企業による世界支配の道具】
2012年6月14日(木)
デモクラシーナウ!(米国ニューヨークにある非営利の独立放送局)
再生時間: 19分
文字起こし(一部のみ)
リーク文書でわかったTPPの正体とは?
表向きは「貿易協定」ですが、実質は企業による世界統治です。
加盟国には例外なく全ての規定が適用され、国内の法も規制も行政手続きもTPPに合わせなければなりません。
全26章のうち貿易関連は2章のみ、他はみな企業に多大な特権を与え、
各国政府の権限を奪うものです。
私たちのサイトに掲載したTPP投資条項によれば外国の投資家が TPP条約を盾に米国政府に民事訴訟を起こし、国内規制が原因で生じた損害の賠償を請求できるのです。
米国企業はみな同じ規制を守っているのに、これでは国庫の略奪です。
極秘で進行するTPP交渉には議会も不満を申し立てています。
約600人の企業顧問はTPP情報にアクセスできるのに
米国の議員はできないのですね?
こんなひどい内容をそれもリークで知るとは驚きです。
内容がひどいだけでなく、これは「1%」が私たちの生存権を奪うツールです。 交渉は極秘で行われました。
暴露されるまで2年半も水面下で交渉していた。
600人の企業顧問には草案へのアクセス権を与えながら、
上院貿 易委員会のワイデン委員長はカヤの外です。