◆北方領土問題、プーチン大統領「引き分け」発言の真意探れるか? 21日、森元首相が会談
安倍晋三首相の特使として20日からロシアを訪問する森喜朗元首相は21日午後(日本時間同日夜)、モスクワ市内でプーチン大統領と会談する。4~5月を念頭に置いた首相訪露への地ならしが最大の目的だが、北方領土問題に関するロシア側の感触を直接探る狙いもある。森氏が特使としてどこまでプーチン氏の真意を引き出せるかが焦点だ。
森、プーチン両氏の会談は約3年9カ月ぶり。森氏は訪露にあたり「外交交渉は政府が行うもので私に権限はない」と主張する。プーチン氏は昨年3月、海外メディアとの会見で「引き分け」との表現で領土問題解決に向けた妥協の道を探る提案を行った。森氏はこの「引き分け」の意味を確かめるため、会談では主に聞き役にまわる方針だ。
森氏の訪露案は民主党政権下の約1年前に浮上。当時の野田佳彦首相はプーチン氏と個人的な信頼関係を築く森氏の派遣で領土問題を打開する狙いだった。
安倍政権でようやく実現する特使派遣だが、首相は今回、大統領宛ての親書も託す。友人同士とはいえ、森氏の「個人的な見解」は通用しない。しかも民主党政権の野田前首相と異なり、森氏と安倍首相はかつて同じ派閥(町村派)に在籍。森氏の言動がロシア側に「首相の意向」ととらえられる可能性は高い。
森氏は1月のBS番組で、択捉島をのぞく3島の先行返還論に言及。「北方四島の帰属問題を解決しロシアと平和条約を結ぶ」との政府見解とは異なる発言だった。会談では、日本政府が否定的な北方領土での日露共同開発も話題に上る見通し。政府は「特使が日本の立場を逸脱することはない」(菅義偉官房長官)としているが、言質を与えずに領土問題解決への糸口をいかにつかむか、森氏の言動に懸かっている。
安倍晋三首相の特使として20日からロシアを訪問する森喜朗元首相は21日午後(日本時間同日夜)、モスクワ市内でプーチン大統領と会談する。4~5月を念頭に置いた首相訪露への地ならしが最大の目的だが、北方領土問題に関するロシア側の感触を直接探る狙いもある。森氏が特使としてどこまでプーチン氏の真意を引き出せるかが焦点だ。
森、プーチン両氏の会談は約3年9カ月ぶり。森氏は訪露にあたり「外交交渉は政府が行うもので私に権限はない」と主張する。プーチン氏は昨年3月、海外メディアとの会見で「引き分け」との表現で領土問題解決に向けた妥協の道を探る提案を行った。森氏はこの「引き分け」の意味を確かめるため、会談では主に聞き役にまわる方針だ。
森氏の訪露案は民主党政権下の約1年前に浮上。当時の野田佳彦首相はプーチン氏と個人的な信頼関係を築く森氏の派遣で領土問題を打開する狙いだった。
安倍政権でようやく実現する特使派遣だが、首相は今回、大統領宛ての親書も託す。友人同士とはいえ、森氏の「個人的な見解」は通用しない。しかも民主党政権の野田前首相と異なり、森氏と安倍首相はかつて同じ派閥(町村派)に在籍。森氏の言動がロシア側に「首相の意向」ととらえられる可能性は高い。
森氏は1月のBS番組で、択捉島をのぞく3島の先行返還論に言及。「北方四島の帰属問題を解決しロシアと平和条約を結ぶ」との政府見解とは異なる発言だった。会談では、日本政府が否定的な北方領土での日露共同開発も話題に上る見通し。政府は「特使が日本の立場を逸脱することはない」(菅義偉官房長官)としているが、言質を与えずに領土問題解決への糸口をいかにつかむか、森氏の言動に懸かっている。