前回のブログと前後するが、標準治療を半分づつで終了(効果が出ず)、新薬のハラヴェン1クール半(3回、これも効果出ず)、4種類目の経口抗癌剤をはじめてから、そろそろ眉毛も殆ど抜けてしまって描きづらいなぁ、まつげも全然ないとアイラインってどこに描いてたんだっけ…と思っていたら、なんだか薄っすらとガイドラインがあるように見えた。そしてふと鏡を見て『あれ?私の頭こんなに青かったっけ?』と思っていたら、数日中に分かった。毛が生えてきたのだ。

 

最初から、抗がん剤治療が終われば毛は生えてくると言われていたし分かりきっていたことだ。しかし、毛が生えそろうまでに2年位かかると書いてあったり、何より、髪が抜けてしまう事の恐怖の方が勝って、その後のことなど考えてもいなかった。しかし、標準治療を終了して1~2ヶ月で毛が生えてくるなんて、想像より早かったし何より嬉しかった。

 

生えそろうのには時間がかかるが、眉毛やまつげは短いので比較的すぐに形になって行った。まつげは2~3ヶ月はかかったが、つけまつげを毎日付けなくても良くなった!しかも、それまで抑えられていたせいか、自分至上最強の濃くて密なまつげが生えてきた!すごく力が湧いてきた。

 

しかし後日談としては、毛というのはそれぞれの部位によって違う毛周期(寿命)があり、それが違うせいで頭髪は5年くらいは伸び続け、まつ毛は2~4ヶ月で生え変わるので一定以上に伸びないのだが、それが一気に生えてきているのではと思っていたのが的中し、3~4か月後にまつげが一気に抜けてしまい、また貧相な目になってしまった。これを2度ほど繰り返して徐々にバラバラと生えては抜けを繰り返すようになり、本来の自分のまつげになってきている。余談だが陰毛は5か月くらいで激しい脱毛期が訪れたので、最初の脱毛を思い出し気持ち悪かった。

 

そして、歳と共に産毛などは薄くなってきて無駄毛も気にならなくなってきていたが、頬や背中に新鮮な桃のような産毛がびっしりと生えてきて、『こんなのは要らない!』と苦笑いした。まるで中学生の頃のような勢いだ。とはいえ、身体の再生能力の凄さと、生命力を感じて嬉しくもあった。

 

排卵機能も抗がん剤の影響により生理は止まっていたので、ホットフラッシュという急に顔や頭がカッと暑くなるのに足は冷えるという更年期の症状が出始めていた。カツラでただでさえ暑いのに、のぼせて辛かった。私の掛かっている病院では、この対処のため自律神経を落ち着かせるといういわゆる抗鬱剤を処方してくれた。1錠づつ増やして2錠飲んでもあまり変わらないと言うと、もう1錠増やしましょうと言われたが、抗鬱剤というものに抵抗もあったし、お酒を飲むと気持ち悪くなったり、ホットフラッシュも我慢できないほどでない為、1錠だけ飲むことにした。

 

ちなみに眠りが浅くなり、夜中にたびたび目が覚めるようになっていたが、これも更年期の症状らしい。身体はホルモンで支配されているのだね。発毛の勢いで、生理も戻ってくれないかなと、ほのかな希望を持っていた。