暫く来なくなっていたお客さんが急に予約が入り、久方ぶりの再会とともにその頃の現状を報告したら『あ、今回はみちるさんのところに行こうと思ったのはこういう事だったのね』と仰って、お友達と自分の経験で、この薬(市販薬)がいいよと教えてくれた。
普通、癌の患者にこのように何かを紹介すると、何かの商売の餌食にされているような気がするものだが、初めてご来店のお客さんではなかった事と、この薬の製造が『林原研究所』というところで、私にはすんなり受け入れられるものがあった。正直、薬の効能の説明は難しく、よく分からなかったが、『ハヤシバラ』という会社は、私の出身地・岡山では有名企業で、10年位前だったかに破綻しかけて全国的に問題になりかけたのだが、余り知っている人はいないようだ。マービーという商品名で全国区となったマルチトール(還元麦芽糖)で糖尿病食を変えたあたりから糖類の開発で有名で、独占企業として問題になったのはトレハロースがなくなると、しっとりとした食感が長持ちする食品全般が製造できなくなることからだった。よって会社再生法で現在も存続しているが、運営が家族経営でまずかっただけで実績にはかなり信用のある会社なのである。
薬局で聞いてみたところ、飲み合わせによる副作用もなく、何に効くとは言えないが薬剤師さんも言いたいことを言えないような効能のような薬のようで、1瓶1万円~3万円と書いてあり、やはり高価なものなのは間違いなかった。(用量など数種類あるので価格も変わる)私はネットで最安値を探して購入することにした。
後日談としては、10ヶ月ほど後にこのお客さんも乳がんが発覚した。私とは違い、非浸潤癌の恐らくトリプルポジティブで成長率が高いということで1ヶ月ほどの間に全摘を選択してあっという間に終わってしまったが、ずっと飲んでいても癌が出来ない訳ではない。
私としては、教えて貰った頃、抗がん剤も3種類目で効果が出ず、ネットで検索にも出ていたが『癌は炎症』『水虫などが代表的な真菌の仲間』とあり、ルミンAは効能に可能性疾患、汗疱性白癬とあるので、とりあえず何でも試してみようかと思った。その他効能は末梢神経性疾患、湿疹、創傷、熱傷、凍傷など。高価だが、1日1錠で400錠入りを購入したら1年分と思えば1ヶ月1500円ほどだ。味は炭酸水素ナトリウム、つまり重曹だ。朝起きて一番に舌の下に入れて溶かして服用し続けている。
色々な事をしてきたので、どれがどのように作用したのか分からないが、一通りの乳がん治療が終わった今となってこの薬の手ごたえは、癌を根本的に治すことよりは、タキサン系のしびれがいつの間にか消えていたことと、手術後の内出血が圧倒的早さで消えたこと、それと傷の治りが早いことではないかと思う。