facebookに状況を公開してから友人たちからたくさんのコメントを頂いた。その中で、他の病院でも診て貰った方が良いということで、病院を検索した。なにしろ、インフルエンザの予防接種など小学校低学年以来受けていないが罹ったこともなく、滅多に風邪もひかないし、風邪くらいで病院に行くなんて恥ずかしいとさえ思っているような病院とは縁遠い生活だったうえ、横浜に住み始めてからどこに行って良いのか土地勘もなく、ネット検索と知り合い頼みである。
乳がんで神奈川県で検索したところ、上位でいいかなと思った病院は、最寄駅まで行ってもなおバスで20分、もしくはタクシーで2000円くらいですと(無理、遠すぎる)。この期に及んで通院距離と交通費が気になって行く気になれない。10位以内には私が逃亡した病院もランクインしていた。大病院しか出ていないし、どうしたものか。
身近に3人の乳がん経験者がいて、1人はお客さんで抗がん剤治療後、かなり髪が生えてきたところからずっと担当しているが、その方は都内の大病院。残る2人は公にしてはいなかった飲み友だが、1人は私と同じ病院なので参考にならず、もう1人が掛かっていた病院を紹介すると言ってくれた。
そうこう考えあぐねていたところ、ビストロを自営している夫婦の奥さんが連絡をくれた。まさにタイムリーで、お友達が実は半年ほど前に乳がん手術をしていたという話を聞いたところで、その病院がすごくいいから、自分が乳がんになったら絶対行くわと話していたところだったというのだ。具体的にはかなり見解の違ったところはあったが、そのお友達は6㎝の癌が見つかり、『全摘です』といきなり言われてそんなの嫌だと自分で探したのだという。その病院では胸の中だけをくりぬいて、すぐに再建までして目が覚めたら元のままの胸があるから何のショックもないのだと力説したらしい。それに、抗がん剤は効き目は下がるが副作用の少ないものをやっているとかで髪の毛なんかふさふさしているよ、と。(これはあくまでも又聞き)
それから、トリプルネガティブと言われても、実際に摘出して解剖して調べ直したら違う場合もあるから、とにかく手術してもらえばいいんじゃないかと。『それと、これは絶対に伝えてほしい事って言われたんだけど…』と言いながらゲラゲラ笑っている。手術前に『もう一方の胸はどうしますか』と聞かれて、病気じゃないのに何も…と断ったが、手術した胸が自分至上見た事のないくらいキレイなお椀型で、健康な方の胸が垂れてきて、あの時もう一方もやって貰えばよかったと後悔しているから、絶対両方やるべき!と。なんだそれ。
その病院は乳がんを検索していもスポンサーサイトで一番に出てくるのは見ていて、逆に怪しいとさえ思っていたし、そんな病院が簡単に予約が取れるとも思っていなかったが、その方はネット検索で予約して状況がひっ迫しているのですぐに手術をして貰えたから大丈夫だよとの事だった。とりあえずセカンドオピニオンと言われても、どこに行って良いのかも分からないし、また2~3週間も待っている間にしこりが爆発しそうで待っていられないので、その病院に問い合わせてみることにした。
電話に出た女性は少しすかした感じで淡々と状況を聞き取り、初診は1週間後の朝が一番早い予約ですと。こっちは1ヶ月に1㎝の勢いで大きくなっていて破裂しそうなんですと訴えたが、そこしか予約は取れませんとしか答えてくれないので、仕方なく1週間後に予約を取った。どちらが早かったか分からないが、元の総合病院にセカンドオピニオンに必要な書類を作成して欲しいとと連絡を取り、数日後に出来上がるとの事だった。最初の一言は、診断書類作成代は1500円ですが、先方の病院では保険適応外になりますので実費が結構かかりますよ、とご親切に忠告された。(実際には先方には保険で済むと言われた。)とにかく実際の治療に取り掛かる前に随分お金が掛かるものだ。(一方でこのことを聞いたらしい、告知の日に私の意見に耳を傾けてくれた看護士とも話すことが出来、『心配していたので良かった』と、同郷の看護士も心配しているので伝えてもよいですか?と言ってくれた。)
混乱した気持ちも持ったまま、とにかく摘出して貰えると期待して、予約日を待った。勿論普通通り仕事に毎日行っていた。書類が出来たというので、前の総合病院に取りに行ったついでに、同郷の看護士を呼んでもらい、状況を説明したら『どこでもいいんですよ、治療をする気になって良かった』と喜んでくれ、私も『またお世話になるかもしれませんので、その時はよろしくお願いします』と先生抜きで報告したのであった。