ビル・ゲイツ氏が中国の原発に関心 中国で提携先を模索

 最近、マイクロソフト社の創業者で富豪であるビル・ゲイツ氏が、メリンダ・ゲイツ財団の中国支部のスタッフとともに中国科学技術部を訪れ、同副部長の張来武氏と会見した。ゲイツ氏は記者会見を行い、中国と共同で安全な新型原発の開発について協議したことを明らかにした。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 厦門大学、国家核電技術公司、中国核工業集団公司など原発に携わる多くの人びとがメディアに対し、ビル・ゲイツ氏が中国と原発開発の協議をしていることは秘密ではなく、ゲイツ氏はすでに多くの国内機関と接触していると公言している。

 ビル・ゲイツ氏のかかわる原発事業は、具体的実務をワシントン州にある「テラ・パワー」社が行う。同社は第四世代の原子炉を専門に開発しており、トップクラスの科学者が多数在籍している。ビル・ゲイツ氏が投資する同社は、第四世代の原子炉の開発を目的とし、原子炉開発の理念は、低コストであること、より安全であること、産業廃棄物が少ないこと、の3つだ。

 ゲイツ氏の思惑:三つ目の夢の実現

 もともとビル・ゲイツ氏には3つの夢があった。1つはすべての人がパソコンを持ち、ウィンドウズを使うこと。2つ目はエイズや結核、マラリアを撲滅し、すべての人に平等な医療の機会を提供すること。3つ目は貧しい人びとにクリーンで経済的な電力を提供し、エネルギー問題を解決することだ。

 原子力エネルギー事業は、同氏がマイクロソフト社の引退後に創設したメリンダ・ゲイツ財団から始まった。かつてゲイツ氏は、「私はエネルギー分野でもっともポテンシャルがあるのは核エネルギーだと確信する」と述べている。

 匿名を条件に取材に応じた中国の原発研究者は、ビル・ゲイツ氏は中国以外に日本とインドでもパートナーを探していたが、第一のパートナーとして中国を選んだ。それは中国の第三世代原子炉技術が急速に発展しており、またプロジェクトの規模も大きいといった要因があったとの見解を示した。(編集担当:米原裕子)