ウィキペディアより


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B7%E3%82%A6%E3%83%A0137

放射性セシウムの危険性

アクチノイド 半減期 核分裂生成物
244 Cm 241 Pu f 250 Cf 243 Cmf 10–30 y 137Cs 90 Sr 85 Kr
232 U f
238 Pu f = fissile 69–90 y

151 Sm nc➔
4n 249 Cf f 242 Amf 141–351 102年から2×105年の
半減期を持つものは
無し
241 Am
251 Cf f 431–898
240 Pu 229 Th 246 Cm 243 Am 5–7 ky
4n 245 Cmf 250 Cm 239 Pu f 8–24 ky
233 U f 230 Th 231 Pa 32–160
4n+1 234 U 4n+3 211–290 99 Tc
126 Sn 79 Se
248 Cm 242 Pu 340–373 長寿命核分裂生成物

237 Np 4n+2 1–2 my 93 Zr 135 Cs nc➔
236 U 4n+1 247 Cmf 6–23
107 Pd 129 I
244 Pu
80 my >7% >5% >1% >.1%
232 Th 238 U 235 U f 0.7–12by 核分裂生成物収率

セシウム137は水溶性の有毒物質である。生体内での振る舞いはカリウムルビジウムに似ている。体内に入るとセシウムは血液の流れに乗って体中に分配され、ガンマ線による内部被ばくを起こす。濃度は骨組織で低く、筋組織で高い。生体内での半減期は70日以下である。犬を使った実験では、3800μCi/kg(約44μg/kgのセシウム137)を服用したものは3週間以内に死亡した。しかしながら、大量の被ばくをしない限りは直ちに健康に影響が出ることはない。


チェルノブイリ原発事故の事例では、事故後に癌や心筋梗塞を発病した被ばく者の多くが放射性セシウムによる内部被ばくを経験しているが、癌や心筋梗塞は放射線以外の様々な原因でも発病する病気であること、直ちに健康に影響を及ぼす危険性はないことから、放射性セシウムとチェルノブイリ被ばく者の発病との因果関係は一例たりとも証明されていない。


事故でセシウム137を摂取してしまった場合、プルシアンブルーで治療される。これはセシウム137に結合し、体外への排出を促進する。

γ線源のセシウム137を不適切に管理すると、これが一般市民の手にわたり、被曝者が出ることがある。そのような事件としてゴイアニア被曝事故は有名である。

金属で覆われているセシウムが、製鉄所の金属片に混入すると、放射性の鋼鉄を生産することになる。

アセリノックス事故(en:Acerinox accident) は有名な核事故で、スペインのアセリノックスというリサイクル会社が、γ線発生器のセシウム137を溶融してしまった。

2009年には、中国陝西省のセメント会社が、古い使われていないセメント工場を取り壊し、放射性物質取り扱いの基準に則らなかった。それにより測定機器に使われていたセシウム137が、トラック8台分の金属片とともに製鉄所に送られた。そうして、放射性セシウムが鋼鉄に混入することになった。

生体に対する影響

経口で10000Bqを摂取した時の実効線量は0.13mSvとされ、1mの距離に100万Bqの線源があった場合、ガンマ線によって1日に0.0019mSvの外部被曝を受ける。

世界保健機関(WHO)の飲料水中の放射性核種のガイダンスレベルは平常時の値は10Bq/Lで原子力危機時の誘導介入レベル(介入レベルを超えないように環境汚染物質や汚染食品の摂取、流通を制限するため、二次的に設定される制限レベル、「暫定規制値」とも言う)であり、国際原子力機関は介入レベル(敷地外の一般公衆が、過度の被ばくを生ずる恐れのある場合は、実行可能な限り、被ばく低減のための対策をとることが必要となる。その判断の基礎となる線量)を3,000Bq/Lとしてるが平常時の値や誘導介入レベルは定めていない。日本では一定の基準は無くWHOの基準相当を守っていた。しかし2011年東北地方太平洋沖地震における福島第一原子力発電所事故の影響から、放射性セシウムの飲料水中及び牛乳・乳製品中の暫定規制値をWHO基準の20倍以上に相当する200Bq/kgと定めた