切妻造の白壁が続く吉良川の街並みを歩く
キラメッセ室戸から3キロ程歩き、国道から旧道へ曲がると吉良川の白色壁の街
並みが続きます。爺ちゃんにとっては8年ぶりの懐かしい光景です。
街並みに入ると道の両側から温かい声をかけてくれます。
三人連れの遍路なのでいっそう目に付くのでしょう。
中には、東日本大震災犠牲者鎮魂の遍路であることを、新聞やテレビで知ってい
る人もいるようです。
「これから27番まで歩きます」と答えると、「お気を付けて!」と、
孫に優しい目を向けてくれる人が多いので、とても和みました。
追いかけて来てお菓子を渡してくれるおばあちゃんも何人かいました。
本当にありがたい気持ちをいただいています。m(__)m😊
「爺ちゃんは吉良川は7度来たことあるんだけど、この街並みがとても気に入って
いるんだ。最初来たのは初めての遍路の20歳の時だから、今から48年前なるんだ
なるんだなぁ。この街の様子も来るたびに変って来たよ。以前はなまこ壁が多か
ったけれど、大分減って来たようだなあ」
「なまこ壁って?」
「なまこ壁は、ナマコの皮に似ている柄で、黒地の壁に白で四角やひし形なんか
を描いてあるたんだ。まだ残っていると思うから、そこへ行ったら説明してあげ
るよ!
なまこ壁の姿が残っています
潮風や台風なんかの自然災害に強いし、土壁や板壁よりも耐火性にも優れている
んだ。この町は備長炭集積地で栄えた町なので、炭の貯蔵庫として使われたんだ
と思うな。しかし今は観光スポットに変わって来たようだ。観光の拠点施設とし
て『まちなみ館』という施設が出きているんだよ。まちなみ館は旧長田邸や旧松
本邸を修復したと、ネットに書いてあった。敷地内には軽食も食べれる『べっぴ
んさんの家』や、お手洗い、小休憩ができるスペースがあって、マップも置いて
あるようだよ。遍路道の途中にあるからマップだけいただこう」と、爺ちゃんが
提案しました。
「6度目の遍路の時には早朝6時頃通りかかったんだけど、話し掛けたら、詳し
いおじいちゃんが1時間以上入念に案内してくれたんだよ。お接待の心なんだけ
ど本当にありがたかったよm(__)m💕」
「その時教えていただいた時の知識が、今になって役立ってるんだな」
遍路にはお陰が一杯詰まっている
「Rだって遍路で歩いているのは自分の足だけど、靴や靴下やズボンや杖のお陰
なんだぞ。それに街の皆さんが温かく励ましてくれるし、お前は『お陰』に取
り囲まれているんだよ❤️😊」
「お爺ちゃんはなかなか良いことを言いますね。全くその通りだと思いますよ。
R君、お爺ちゃんに連れてもらって、本当によかったね😍」とMさんは笑顔を向
けました。
切妻造の街並みには、台風や海からの強風から家を守る知恵が施されています。
土佐漆喰は糊を含まないので、水に濡れても戻りがなく、厚塗りが可能だとのこ
とです。きめ細かい白壁が、美しい景観に一役買っているのです。白と黒のコン
トラストの良いなまこ壁もあり、黒い板塀も変化を添えています。
土佐漆喰と水切り瓦の伝統的な建築は、壁に直接雨がかかるのを避けて壁を保護
しています。
また、家々の周囲には玉石を積んだ石垣塀(いしぐろ)が築かれていて、この集落
は、重要伝統的建築物軍保存地区に選定されています。
吉良川を後に国道55号を北西へ、これから20㌔ほど先の27番神峯寺を目指します。
シルクロードメモリー・心の目
梨を2個買いたいのですが、1斤単位でしか売りません。ペルシャ語が十分話せな
いので通じなくて困っていると、おじさんが来て、片言の英語で「どうしたのです
か?」と訊きました。訳を話すと、「この人とは日本から来たんだぞ! 2個売って
やれよ」と掛け合ってくれました。おまけに、代金まで払ってくれました。顔はご
ついが心は優しいんです。
テヘランで朝の散歩中、以前、日本で働いていた男性に誘われて仲間入り。
日本語で号令掛けたら、歓迎の大握手でした。
ある町で若い男性が空手の練習をしていました。話しかけると、「あなたは日本人
だろう? 空手の試合をやろう」と誘います。「空手はやったことがない。柔道な
ら経験がある」と言うと、「それじゃ、空手と柔道の試合をやりましょう」と言う。
「若くないから試合は無理だよ」と言うと、「握手してください」というので、
しっかりと親善の握手しました。陽気でフレンドリーな人が多い。
家の前でけんけん遊びをやっているので、一緒に遊んでいると、その子のお父さんが声をかけてくれて、チャイをごちそうしてくれました。
シルクロード諸国ではどこの国でも「おしん」は尊敬の対象です。
右上の女子大生二人組は「アシン!アシン!」と話しかけてきました。
ノートに平仮名で「おしん」と書いて上げたら、ペルシャ語で「宝物、宝物」と、
大喜びでした。 おしんは親善大使でした。