[ 早く逃げてくれればよかった]の声を被災地で何度も聞く

   「祈る場を失った人々のために、祈りの場を創ってげたい!」 

  と いう一心で始めた「祈りの場創り活動」でしたが、被災地を訪れる中で、

  「早く逃げてくれたらよかったのに…」という、遺族の切ない、私に対する訴えに

  もにも思える声を何度も聞きました。その度に胸に迫る思いを感じ、避難の教訓

  を伝えることの重要さを強く実感しました。

   私自身も、《すぐに逃げれば2万人もの命が失われずに済んだのに!》と、

  未だに悔しい思いがします。それが、活動のモチベーションにもなっています。

 

   創始者の私は震災直後の3月下旬から一人で、福島を皮切りに、山形、秋田、

  青森、岩手、宮城を回りました。特に毎月11日の月命日には必ず訪れて心静かに

  祈り、傾聴ボランティアで多くの人の苦しい胸の内を受け留めました。

 

   メンバー加入後は、全員あるいは二人一組で、北は青森県八戸から南は福島県

  いわきまでほぼ全ての被災地を訪れました。

 

 

  青森県 岩手県の津波被災状況

 

              青森県八戸港                  岩手県洋野町

 

    岩手県久慈          岩手県野田          岩手県田野畑

 

  

   岩手県宮古市田老      岩手県宮古市内       岩手県山田町

         

                    

  

    岩手県大槌町                   岩手県釜石市鵜住居          岩手県大船渡

 

 岩手県陸前高田          宮城県気仙沼                 宮城県南三陸町

 

   これらの被災地では、大勢の人が犠牲になりました。これとは、逆のケースも

 

  あります。青森県境にある岩手県洋野町です。ここはNHKテレビ朝ドラ「あま

  ちゃん」で有名になった町です。この町では、漁業関係の施設の大多数が津波で

  被害を受けましたが、死者・行方不明者がゼロでした。 南北に沿岸が長い人口

  1万9千人の町なのになぜ?と、不思議に思い、住民の方に訊いてみました。 

  過去の津波被害の教訓から、「とにかく逃げろ」。その意識の高い町民が多かっ

  たといいいます。 もう一つ紹介したい「釜石の奇跡」と言われるケースがあり

  ます。釜石市の奇跡とは、東日本大震災で、釜石市の小学生約570人が全員無事

  に避難したケースで、大きな注目を集めました釜石市の小中学生が津波から避

  難できたのは、教育で身につけた対応力が「想定外」を乗り越えさせたためだと

  されています

   この二つのケースは創始者に大きな影響を与えてくれました。

  そして主旨に、津波避難の教訓伝承と防災精神加えようと考えるようになり、他

  のメンバーに話したところ賛同をいただき、会議に諮って、

  趣旨は「祈り・伝承・防災」

  キャッチフレーズは「千年伝えて未来の命を守る」となりました。

 

 ※この活動は、始めは天命だと思っていましたが、むしろ天からのプレゼントだと

  思い、少しでもお役に立てればという思いで生きがいを与えていただいていると

  感じています。引き続き頑張ってきたいと思います。

 

【きょうの心の目】

 

                 悠久の時が流れる遊牧の地