コニアシアン | 化石採集記 +α

化石採集記 +α

お医者さんを目指して修行中のおいしやさんです

こんにちは、ryoheiです。
先月とは異なり、ややゆったりしたスケジュールで実習を送っています。去年からずっと時間を取って周ってみたいと思っていた全国的にも珍しい診療科で、運よくこれから2か月間実習することが出来ることになったので、先月とはまた違う切り口から、色々と勉強していきたいものです。

さてさて、GWの北海道での収穫物で、クリーニングが済んだものを紹介していきたいと思います。今回は6日間の巡検でしたが、チューロニアンとコニアシアンに絞って周ろうとメンバー内で意見が一致し、そのように巡検することにしました。
今回紹介するのは後半1日目、三笠のコニアシアンの有名沢で採集したものです。アナゴが採りたい、という自分のお願いを聞き入れて、アナゴ採るならあそこが良いよ、と何か所か案が出たのですが、少し時期が早く、林道が残雪で閉じている沢ばかりで、入れたのは1か所だけ。それでも入れただけラッキーでした。
周囲ではエゾセラスやトンゴボリを採っていた人も居たのですが、自分の所にはそういったいかにもコニアシアンってな種類は巡ってこず。残念でしたが一応収穫は得られたのでご紹介します。


Gaudryceras denseplicatum φ13cm
川の真ん中に転がっていた手ごろサイズのノジュールに含まれていたもの。表面にデンセの住房が見えていましたが、どう見ても壊れているとしか思えない入り方をしていたので、割ってみたところ、中巻は生きていたのですが勢い余ってバラバラに・・・。なるだけ部品は持ち帰ったつもりでしたが、結晶化した部品の一部が飛散していたようで、若干歯抜けになってしまいました。巻き込み部分も少し壊れているようで分離が悪く、本当はもう少しちゃんと出してあげたいところですが、面倒になってここらで止めてしまいました。デンセ特有の荒々しい住房部の肋は残されていませんが、テヌイとは違って、急激に分厚くなるこの感じはやはり良いですね。
デンセに関しては、後日もう少し良さそうな標本を別で採集したので、またご紹介します。


Scaphites gracilis 高さ3.5cm
三笠ではあまり見ない気がするスカフィテスです。沢の落ち口に転がっていた風化したノジュールを叩いたところ、表面に見えていたメソプゾシア(ユーバレンシス)が粉々に飛び散って(哀しい)、中からスカフィテスが出てきました。住房のフックの先端が飛んでしまい、頭だけなら置いていこうかもと思ったのですが、雌型を見るたところちゃんと先までありそうだ、と暫く真面目に探したところ、部品が一部飛んでいたものの住房を含んだ石片を回収することが出来ました。クリーニングの際、母岩に埋もれた裏面を掘り出して見せれば欠けが無いように見えるのではないかと思い立ち、裏面が正面にくるように削ったところ、目論見通りちゃんと見れる状態で標本にすることが出来ました。
住房のフックがあまり巻きから外れないタイプで、種類が何だか良くわからずにいましたが、一緒に行った仲間に聞いてみたところすぐにScaphites gracilisではないかと返答が来て、自分でも見てみたら確かにそのようでした。あまり強くない肋、薄い螺環、あまり外れないフック、あたりが特徴のようです。

そろそろ勉強の習慣ちゃんとつけなきゃ、と思いつつ、いざ勉強し始めると削ってない石の事が気になって中々頭がついて来ないのが、最近の悩みです(笑)