今日、2つのニュースを目にしました。

一つは、出生率が下がってヤバいという話。

もう一つは、東京都が独自のマッチングアプリを開発しているという話。

 

出生率の低下と、その対策という話題ですから、

セットであっても全く不思議ではないのですが、

少子化を問題視しながら東京都の方策を税金の無駄扱いする人がいます。

 

もちろん詳細を見ていけば問題・改善点は多々あるでしょう。

しかし、昔からそうなのですが、

「恋愛は個人でするものだから政府や自治体が金を出さなくて良い」

などと対案もなく主張する人が大勢います。

大臣クラスの政治家ですらそんなことを言っている人もいます。

 

 

 

ただ、「対案もなく」と言うと、

「いや対案はある、金を出せ、減税しろ」と言い出す人もいるでしょう。

こういう人たちは、少子化についてこう思っているわけです。

 

「支援されなくても恋愛はできる、ただ結婚に至らないだけだ」

「結婚しない理由は経済的問題が大きい、そこを支援すべきだ」

 

こういう考え方をしている人たちの主張はつまり、

「恋愛弱者への支援なんて費用対効果の低いことをせず、結婚まで至れない恋愛強者や、経済的理由で子供を持たない既婚者を支援する方が効果的だ」

と言っているわけです。

 

 

 

そして言うまでもなく、こんなことは大嘘で、

・平均年収が最も高い東京都が最も深刻な少子化状態

・逆に出生率が高めなのは沖縄などあまり裕福でない県

・恋愛経験のない若者の割合が高く、増加傾向にある

・結婚した夫婦の子供の数はそこまで大きく減っていない

という事実がありますから、

「経済状況とは違う理由で結婚はおろか恋愛すらしない・できない人が増えた」

のが少子化の主因と言えます。

 

その「理由」によっては「マッチングアプリなんて無駄」の可能性はあります。

ただ、改善案ではなく方向性を全否定するのであれば、

婚姻数増加の対案が必要だという点は変わりありません。

 

 

 

以前は、何度指摘されてもこのように「少子化対策は金」と言い続ける人は、

少子化対策にかこつけて自分に金を寄こせと思っているだけだろう

と思っていました。

 

ただ最近は、こういう人たちって本気で「恋愛なんて簡単」だと思っていて、

金があっても恋愛できないという感覚を全く持ち合わせていないんだろうな

と思うようになりました。

 

世の中には、「独身者の3割がデート未経験」という話に、

「いい年してデートすら未経験の人がいるなんて信じられない」

と言っちゃう人もいるようですからね。

こういう人たちからしたら「結婚相手のマッチング」なんてものは、

税金投入も対案も「何でそんなものが必要かわからない」のでしょう。