ツイッターをやってると、架空のキャラクターや
実在するけど生命体じゃないものが
「自分」の言葉でつぶやいている言葉に
出会うことがある。
ゆるキャラ好きだとその機会は増える。
ゆるキャラは、擬人化が多いから。

もちろん、実在しないので、本人がつぶやいてるのでは
ないのは承知の上で、そういうつぶやきは見てると
楽しい。

そのキャラクター(とここでは呼ぶ)の意味や立場から
どんな性格になるか、どんなことを考えるか、
どんな口調か、など想像を膨らませて、
「その人」はつぶやく。
次第にその言葉は「なりきった誰かの言葉」を
通り越して、「本人そのものの言葉」になる。
言葉の向こうに、生まれた人格を感じるようになる。
この感覚は、かなり個人差があるものだ。
私は、擬人化が好きなので、親しみやすい方だろう。

でも、衛星の「あかつき」や「はやぶさ」、探査機の
「イカロス君」がつぶやいて、キャラ立ちして
いるのを、不愉快に思っている人がいるのは
知っている。
広報的にはマイナスと考えてる人もいる。

でも、キャラ立ちした彼らは
少なくとも、それを感じた人たちの中で
「ある種の生き物めいた何か」として存在している。
共有されている。

あかつきの金星周回軌道への投入に関して、
いろんなツイートを見た。
その中で、感慨深かったツイートはこれだ。

「@Akatsuki_JAXA 私は強さおよび勇気を送る!」

「あかつき」へ向けてこの言葉を贈ったのは
Voyager 2
NASAの無人宇宙探査機「ボイジャー2号」だ。

ボイジャー2号は1977年に打ち上げられ、
外惑星を観測する役目を果たして、
今は、太陽系から外へ出ようとしている
現役の探査機だ。
所属国こそ違え、探査機としては大先輩。
しかも、言葉どおり前人未到の空間で
長い旅を続けている。

この言葉を発したのは誰だろう?
わざわざ日本語でメッセージを送った「私」は。
同じ宇宙空間で旅をする者として
先達として、言葉を送らずにいられなかったのは。

「あかつき」も「あかつきチーム」も、
「あかつき」を見守った人たちも、
このことを忘れないだろう。


Voyager 2 公式サイト(英語)
http://voyager.jpl.nasa.gov/