戸田明宏監督


川辺市子/杉崎花

長谷川義則/若葉竜也

北秀和/森永

母なつみ/中村ゆり

小泉雅雄/渡辺大和



川辺市子はテレビを見ながら荷物をまとめていた

テレビでは大阪市の山中で死後8年以上立っている白骨遺体が発見されたとニュースが流れる

市子は、同棲する恋人長谷川義則が帰宅するバイクの音を聞き急いで荷物を持ってベランダに降りる

そして急いでスリッパで走っていく

長谷川が玄関を開けると窓が空いていて荷物が置いてあった


2015年8月15日

市子は幼い頃、みそ汁が好きだった

近所から匂う幸せの匂いが好きだったと言う

そんな市子に長谷川はプロポーズし、明日の夏祭りにきて欲しいと浴衣をプレゼントする

市子は嬉しくて静かに泣き、着物を当てて「ありがとう」と喜んでいた


8月21日

長谷川は捜索願いを出して警察の後藤が訪ねてくる

長谷川と後藤は3年一緒にいたが、お互いのことを話さなくて市子の親族など知らなかった

出身が大阪市ということだけ

警察は川辺市子は存在しないと言う


1999年

集合住宅に住むサツキは市子が同級生とキスをしているのを見かけた

さつきは父が行きつけのバーに遊びに行く

そこには女将として働くさつきと子供の市子がいた

しかしさつきは「月子」と呼ぶ


2000年

幸田梢は周りより成長が早くて男子に揶揄われていた

それを月子は助けて仲良くなる

梢は一軒家で、自宅に招いて家族は月子に優しくしてくれた

帰り際に月子は「ほんまは市子っていうねん」と話がコズエは意味がわからなかった

ある日月子はこずえと行った、ショッピングモールでお礼にとたまごっちを渡した

しかし、お金のないことを知っていたこずえは怒って「返してきて!」という


こずえは初めて月子の家を訪ねた

部屋には母親が寝ていてオマルが置いてあった

2人が部屋で話していると、福祉課の小泉が訪ねてきた

小泉雅雄となつみは恋人関係だった

こずえに気がついた小泉と母親は焦り「人あげたらあかんやろ!」と追い出す

月子は小泉に手渡されたお金じゃたりんとお金を貰い外に出る

そんな様子を見たこずえは月子から離れて行った


2008年

月子は同級生の田中宗介と付き合っていた

そして同級生の北秀和が月子と一緒にいたのを見て宗介は秀和をストーカー呼ばりしていじめた

しかし月子は無関心だった

秀和は集合住宅の近くで月子の帰りを待った

宗介は月子がsexさせてくれないのが不安だった

宗介を家に連れて帰ると小泉が酒を飲んで待っていた

月子に「鍵」とだけいって部屋に入っていく

月子は無理やりキスをして股を触らせる

宗介はびっくりして月子から去っていく


2015年

長谷川は市子の帰りを待てず探すことにした

昔下宿していた新聞配達を訪ねると、一緒に下宿していたという女性を紹介される


吉田キキは、ホームレスのように街を歩いていた市子を見かけて新聞配達に誘った

市子は風邪を引いても「病院が嫌いだから」といかなかった

キキはパティシエを目指していた

「うちは夢をもったらあかん」という市子にいつか一緒にケーキ屋やろと誘う

市子は「うちひと殺してしもた」といい冗談のように誤魔化した


大阪市の白骨遺体の捜査で警官は市子の母さつきの行動を話す

さつきは2年前まで能登半島でヤマウラミチコと名乗り住んでいた

それに難病患者の生存確認がされた

警察の後藤は、長谷川から貰った市子の写真を見つめる


長谷川は後藤に電話して「市子が事件に関わってるのでは?僕の聞いた情報と交換したい」

後藤は強引な長谷川を連れて車に乗せた

サツキは市子が4年生で居なくなって、一年生で入学して月子って呼ばれていた

記憶違いかと思ってたけど「年齢嘘ついていた気がする」

こずえから介護用のおまるのことを聞いていた


情報を伝えたあと後藤は、山中で発見された白骨遺体は難病指定されていた患者のもので、川辺月子の物と疑われている

川辺月子が2人存在している

母なつきは出生届をださずに無戸籍になったのが市子何ではないか

市子が月子になりすましていた


後藤は続けて、病院も行けない、ケータイも買えない、まともな職にもつけない

それでも途中から市子を選んだのは何か理由があるはずと考えていた


後藤が長谷川と来たのは、戸籍のない人を支援する相談所だった

市子は2010年に相談にきていた

しかし指紋採取を拒んで来なくなった

その後、そこへ高校の同級生北秀和が「川辺市子を探してる」と訪ねてきた


2008年

北は、同級生の市子を見かけて何気なく一緒に歩いた

市子は花火の広告をみて「うち花火好き」

「みんなが上見てると安心する」

別の日も一緒にアイスを食べて北は「花火一緒に行こうや」とさそうが市子は「いつかな」


後藤と長谷川は、北に会いに行く

すると好きやった、突然居なくなってショックだったと話す

市子という名前は高校時代に聞いた

後藤は、市子が高校時代に死んだ小泉雅雄が自殺で片付けられたが川辺家が絡んでいると思っていた

長谷川は、北の部屋から聞こえた物音で察して部屋に入る


長谷川は、市子の荷物から月子の保険証を見つける

それと市子、月子、母親と小泉の家族写真も入っていた


警察が帰った後、北の自宅を長谷川が訪ねた

「市子いましたよね?あんたと一緒で市子の味方です」


2008年

市子の家まで一緒に歩いた北

「送ってくれてありがとう」と別れるが

市子が小泉に連れられて部屋に入れられるのを目にした

北はベランダから部屋を覗くと「月子、医療器具、騙す、同罪」そんな話が聞こえた

そして市子は服を脱いで、「さっさとして帰って」

小泉は「お前は存在しない、それが現実、もう戻れない」というと市子はイヤや〜と小泉を刺し殺した


一部始終を見てしまった北は、泣いている市子を抱きしめて「大丈夫や」

その後男を線路の寝かせてる間に市子がいなくなった

そう説明したあと長谷川に「もう終わりにしてくれ。あんたには会いたないっていうてた」

長谷川は「それでも市子に会いたい」

北は「河辺は俺にしか助けられへんから」


2010年北は市子の働くケーキ屋を訪ねた

市子は「あんたストーカーやん、私はもう市子として生きてんねん」

北は、「無理や。俺が守ったるから」

うちの子と話したかったら話してええでと言って前に進んでいた

市子はキキちゃんとケーキ屋開くのが夢やねんと笑いながら言う


北もとへ川辺市子さんですか?と女性が訪ねてきた

女性は自殺をしようとしていた。そして市子はその身分証を貰おうとしていた

北は「これはあかん。帰ってください」

そこへ女性のスマホに公衆電話から電話が来る

市子だった

北は「これはあかんやろ。俺が守ったるから」


その頃長谷川は、市子の家族写真の裏に描かれた徳島県の住所にきてヤマウラミチコを訪ねた

そしてヤマウラミチコを名乗るなつみに市子の事情を話す

家族写真を見せるとなつみは奪い取って握りしめた

しかしなつみは「関わらんといて、もう遅いねん」


2008年

市子は、難病で寝たきりの妹月子の身体を拭いてあげる

呼吸器がないと息もできないため吸引をする

母親は稼ぎためにずっと働いている

ある日市子は、月子を見つめて呼吸器を外した

母親が帰ってきて月子を見て「市子ありがとうな」


北は女性を連れて市子が指定する場所に行った


和歌山県の水中で男性と女性の遺体が発見された


市子は、夏祭りで長谷川と出会った

それから一緒に住んで幸せだった

市子は鼻歌を歌い、路地を歩く


市子は幼い頃の声を聞く

それは小泉と母親が市子の誕生日ケーキを一緒に楽しむ声