さて、第2章の脳のパートで触れたように、腸はもっとも早くから発達した臓器です

動物は脳よりも先に腸を獲得しました。

原始の祖先の腸の中にも、細菌が住み着いたに違いありません。

動物の進化は相当早い段階から腸内細菌がいる状態で進み始め、ずっと腸内細菌と共に生きてきたと考えられます。

そうだとすると、「細菌ができる仕事は腸内細菌に任せる」という戦略で進化してきたのは当たり前のことです。

どこかの段階で自分で持っていた遺伝子を捨てて腸内細菌に任せた役割もあるかもしれませんし、

そもそも腸内細菌にお任せで最初から持たなかった遺伝子もあったことでしょう。

腸の中に細菌を住まわせておきさえすれば、その菌が持つ遺伝子を、まるで自分のもののように利用することができるのです。

極端に言えば、
「腸内細菌≒私たちの遺伝子の一 部」なのです。