伊良湖岬

私が育った家の近くに、電車のガード下がある。

その少し薄暗いガード下を通ると、いつも不思議な感覚に陥った。

「私はこの家の子どもじゃないんだ」

という思いになるのだ。


そして大人になってからは、脳裏に時々、髪を結った地味な服装の私が、高い塔の上から古い中世の町を見ている姿が浮かんでいた。


私が漠然と脳裏に浮かんでいた映像、感じた事は、霊能者の先生に指摘されたこととほとんど一致していた。


私の過去生の一つが、孤児で中世ドイツの修道女だった。



魂は輪廻転生すると思っている。


私達は色々な国に生まれて、様々な人生を歩んで来たんだろう。


現世では心配のない生活を送っている人も、過去生ではそうじゃなかった場合がある。

来世の自分がどのようになっているかなんて、人間には知る良しもない。


だから自分が生まれ変わった時のためにも、来世は住みよい世の中にしといたほうがいい。


そういう世の中になるためには、今の世の中が良くならないとね。