天界に通じる、螺旋道は連なって出来ている。


天界の私の意思が、そのまま人間の私に伝わる。


途中で、弟のレザルと合流した。



『ガリア、よく来たね』とレザル。


ガリアは、答えた。

『自分を取り戻したよ。ありがとうレザル』




ガリアにとって、弟レザルは、人生を愉しむ上で、欠かせない人だった。


レザルは、普通の感覚の人間ではなく、精神性が高く強かった。


レザルは、その人が持っている地位、名誉、金で、人を判断しなかった。


私達の回りに居た、強欲な人間達に、レザルがその人を目の前にして、辛辣に批判する姿を、

「あんなこと言って、大丈夫かな」とガリアは思いながらも、痛快だった。


ガリアが、人間界での生活が面白かったのは、こんなレザルがいたから。


レザルが居なくなり、ガリアはこの世に興味を失った。が




そんなレザルだが、生前も、亡くなった今も、人間が大好きだ。


レザルは、誰でも分け隔てなく、人間を愛した。


下積みの人には、特に優しかった。


今レザルは、人間の力になりたいと思っている。


レザルが、人間界に大きな力を奮えるには、あと少し、時間がかかる。




幾つもの頭をもつ龍になったレザルが、私の周りを取り巻き、そして私は、沢山の龍神達に囲まれながら、神界に昇天していく。


私達姉弟は、今世が、地球人生の最後だ。


神界から、この世に来た目的を、悔いのないよう、やり遂げる。


ガリアとレザルは、協力し合いながら、二人で一つになり、地球で、最後の努めを果たす。