わたしは昔から、用もないのに

母が料理する時、キッチンで母に

付きまとう事が多かった。

母を手伝うと言うことではない。

ただウロウロとくっついていた。

今、考えてみても、何故そうしてたかは

自分でも良く分からない。


母がいるキッチンにいるのが

好きだったのは確か。

いつだったか、1度だけ、

アメリカに住んでる時だが

お昼に、母とガスレンジの前に座り

お好み焼きを一緒に作り、そのまま

フライパンから一緒に食べたことがある。

わたしの家族は、姉と父が良く喋り

わたしと母はあまり喋らない、そんな感じ。

お好み焼きを食べながら母と話たかどうかは

覚えてないが、母とのおいしい、うれしい

ひと時だったのは覚えている。


普通なら結婚して実家を訪ねたら

両親に料理をする、みたいな事を

するのであろう。せめて一緒に作る

のを手伝うとか。

わたしは違う。

訪ねたら手伝わず、キッチンで母のことを

付きまとい、母の作る料理を堪能していた。

歳を重ね、母の料理する時の動きは

いつも通り丁寧だが、どんどん、

ゆっくりになっていった。

ゆっくりな動きの母を見るのも好きだった。


ずいぶんと母の事をキッチンで

付きまとったが、料理嫌いなわたしには

母の料理は何も身に付いていない。

食べるの大好きで母の作る料理は

絶品なのに。

本当にわたしってバカだねぇ。


それでも、教えてもらってはいないが

母が作ってたシンプルな料理

3品をわたしは作れる。その1つが

巻き寿司風の海苔巻きだ。


ここで作り方を披露しよう。

って言っても、作り方ってほどの

ものではないのだが。


まずはたくあんをみじん切り。

それを、ちりめんじゃこと

削り節で一緒に混ぜ合わせ、醤油をたらす。

これを巻きすだれで海苔巻きとして

仕上げよう。

パチパチパチ。

出来上がり〜。出来上がり〜。


母もわたしもこれはいつも切らずに

恵方巻きを食べる時のように

丸かじりでガブリと食べていた。


節分に恵方巻きを食べるのは

関西が由来と聞いているが、

わたしが神戸に住んでた頃から節分には

恵方巻きを買って食べていた。

恵方巻き、色んな具材のものがあり

選ぶの楽しいし、おいしいが

寝たきりの母の介護で実家に

住み込むようになってからは

食べていない。一緒にいる姉は巻き寿司は

あまり好きではないようだ。

姉に聞いたところ、上に挙げた

母の海苔巻きは好きだったようなので、

わたしが作ってもイイなと思うものの、

実家のキッチンで何かを作るのはわたしは

ずっと控えている。姉の怒りをかう可能性、

大、なので。


我が家は海苔業界に、今年の節分も

貢献せずであろう。