最近よく読ませていただいてるブロガーさんが昆布茶のことを書かれてた。


そこで寝たきりの認知症の母のお昼ご飯のときに、昆布茶の話をしだした。


わたしはNHKの「連想ゲーム」という番組が好きだった。司会者が単語を言い、男女のチームに分かれてる回答者が、連想した言葉で言い当てるゲームだ。

それは帰国子女のわたしが日本語を学べる番組だった。連想というのもおもしろい。その影響のもとでわたしは今でも会話してるのかもしれない。

ある言葉から連想する新たな言葉で話をするというような。そのためか、わたしはときたま、ポーンと話が飛ぶときがある。


この日は昆布茶から、わたしが連想したのはお菓子の酢昆布である。

もちろん「コブ」つながり。


わたしが家族とアメリカに住んでた子供の頃、祖父母が日本のモノを色々贈ってくれた。当時は船便を使ってたので、パッケージが届くまでに1ヶ月以上かかった。

ダンボール箱を開けて中身を見るのは、それは楽しみだった。祖父母の記憶はほぼゼロに近かったわたしだったが、送ってきてくれた手紙や日本のモノたちで、わたしの祖父母像が形成されていった。

便箋ひとつとっても、若い孫が好きそうな、と、きっと考えぬいて選んだ絵柄だろうなと思うものを使っていた。


大好きな酢昆布を紹介してくれたのも祖父母だ。姉と違って、わたしは日本のお菓子類が昔から大好きだった。


酢昆布、最高、なのだ。


母に昆布茶の話から、酢昆布の話を始めると、母の表情がパッと変わった。イキイキと。酢昆布、よく覚えてる。


「都こんぶ」って言ったよね、と言うと、うんうんとうなずき、赤い箱のね、ってちゃんと覚えてる。

ん?なになに?

ひょっとして母は隠れ酢昆布ファンだったのだろうか?わたしは母が酢昆布食べてる記憶がないんだけど。


白い粉が昆布についてたね、に対し、母はうれしそうにそうそう、おじいちゃんとおばあちゃんが送ってくれたね、には、そうだったね〜。今でも売ってるよ。そうなの?昆布が薄くなったけどね、と。

昆布はお腹でふくれるということを聞いて、わたしは口の中で酢昆布をずっとなめてふくれるかどうか実験してみたことがあることも母に話た。笑ってくれる。

さほどふくれずだった話。


酢昆布で、永遠と話せる。


わたしの祖父母が酢昆布を選んだのは、当時日本で売れてるお菓子だったからか?それとも自身が好きだった食べ物だからか?


わたしはたぶん、わたしと同じで、酢昆布が好きだったと思うのだ。好きな酢昆布をシェアしてくれたんだと。


おかげでわたしは母と酢昆布の話ができたのさ。


映画「サウンド・オヴ・ミュージック」で、ジューリー・アンドリュースが子供たちに好きなモノについて歌っていたが、わたしがそこで、「酢昆布が好き」と言ったら、酢昆布を歌に加えてくれるだろうか。


暖かいウールの手袋に、

ひもでしばられた茶色の紙パッケージ、

赤い小さな箱に入ったおいしい酢昆布、

これらがわたしのお気に入りのモノ。


こんな歌はダメかな?

ダメだろうな。


Julie Andrews “My Favorite Things” (1965) YouTube 動画