姉とは3歳違い


子どもの頃は特別仲が良かったわけではない


どちらかと言うと


「お前はもらいっ子だよ!本当のお母ちゃんがそこまで迎えに来てるよ」


そう言っていじめられた画面が今でも思い出す事がある



物心が付いた頃に住んでいた三軒長屋の真ん中の家


玄関を入ると広い(子供目線)土間があり向かって左側に座敷が二間あった

土間を奥まで進んで行くとレンガ造りの竈とそのまた左手に風呂桶だけが置かれた風呂場があった


風呂場にはもちろん扉も壁も無く土間に桶が置いてあるだけである

風呂に入りながら湯気で曇ったすりガラスに指でいたずら書きをしたりしていた


便所は台所から外に出た所にあった


そこから崖の様な坂の下に興津川が流れている


夜中に便所に行きたくなった私は外の便所に行くのが怖かった

そんな時わたしはこっそり土間におしっこをしていた


それなのに私は良くおねしょをする子供だった


その頃は洗濯機なんて無かったのだろう

母は便所の横の興津川を見下ろす小さな庭でタライで洗濯をしていた



おねしょをして親にものすごく怒られた記憶などは無い



姉にもらいっ子といじめられた私は泣きながら部屋にあったタンスの引き出しを引いた


そこにあった母の服に顔を埋めると母の匂いがした


この頃の思い出のひとつ


母は興津川でメダカをとってきてはタライに入れ

金魚すくいのポイを手づくりして私達兄妹に遊ばせてくれた


今年は母の13回忌を姉と2人で行う


生前の父が購入して40数年前に父が亡くなった後に建てられた実家のお墓


母の13回忌を終えしばらくしてから墓仕舞いを考えている






つづく