7月1日、AM 5:00 新東名を西に向かう。
今日は「古民家」の仲介業者に会いにいく。
売り主が依頼した仲介業者の査定価格は、さゆりが思っていた価格より低い価格であった。
3年前に突然夫が亡くなったりしなければ、
「古民家」を買ってリフォームしたいなんて、憧れていたとしても実行しようなんて思っただろうか…
夫が突然死したばかりの時は、あまりのことに呆然として日々の生活のノルマをただ、こなしていくのに精一杯だった。
ただ、その混迷の中にも、これからはさゆり自身がその方向を決定していかなくてはならない事に、
不安な気持ちだけではなく、
どこか、少しワクワクとした期待感を感じたことも否めない。
そう言ってしまうと、何かいけないような気持ちにもなるけど、
そんなポジティブな気持ちになることで、現実の問題から逃げていただけかもしれない。
でも、
他人にどう思われようが、さゆり自身、今の自分を許してあげたいと思っている。
だって、もうそんなに体力も残っていないんだし、
自分の人生、悔いのないようにしなよ!
と、思う。
約束の時間に待たされても、待たせるのはボリシーに反するさゆりは、
やはり、早く家を出すぎたかなって思い、
「藤枝」のパーキングエリアに車を入れトイレ休憩を取った。
家から入れた麦茶はあったけれど、コーヒーを飲みたくなり、
ブロ友さんの924さんが、お母様と休みの度にドライブしながら買い求めている自販機の前に立った。
(コーヒーを抽出している間に曲が流れているやつ😁)
「う〜ん😑自販機のコーヒーに○○円…」
「麦茶で、いいや😑」
車に戻ると、家の近所の「テントを背負って山登りする友人」からラインが入っていた。
昨夜彼女は箱根を上がり湖尻峠でひとり車中泊を楽しんだと言う。
実は、
さゆりの「古民家プロジェクト」、
近所のこの友人には今の段階の話しをしてはいなかった。
ただ、昔からいつかそんな機会が出来たら…
「ワンコインランチ」や、「しぞ〜かおでんの店」をしたいなあ〜なんて夢みたいな話は良くしていた。
その頃はまだ夫も元気で、彼女が家に来ると自ら豆を挽いてコーヒーを入れていた。
彼女は夫を、
「マスター」と呼んでいた。
(さゆりは彼女の夫の事は「隊長」と呼んでいた。
数年前にはこの夫婦に付き添われ、雨の中の初めての富士登山や白馬を登った。)
ラインで、
「古民家プロジェクト」の報告をした。
「いよいよなんだね〜」
彼女もさゆりの無謀な計画に異を唱えるわけではない。
それはどこか他人事だと言うわけではなく、
大胆そうで、実は小心者のさゆりの本質を知っているからなのかも知れない。
まぁ、いつでも後戻りはできる。
でも、調べて調べて、その可能性が全く無いことをわからないうちは諦めるつもりはなかった。
移住支援制度や、支援金、一言にそんな制度があると知っても、
その家の建築年数、土地、リフォームの方法で期待できるほどの無い事もさゆりはその市の役場で聞いていた。
後は、
どこまで妥協するか、できるか、
午前中に不動産屋さんと話したさゆりは、
行ってみたかった場所に足をのばした。
静岡県立美術館で開催されている、
「兵馬俑と古代中国展」
夕食は、清水港で、
こんな贅沢してる場合じゃないって😁
つづく
次回でシリーズ を終わろうと思っています。