先日ずっと気になっていたお店でランチをしてきた。



塩そば専門店 桑ばら


ラーメン激戦区池袋。

その中で確実に人を選ぶエッジの効いたラーメンを提供するストロングスタイルのお店がこちら桑ばらだ。


このお店のラーメンの特徴。

『麺が固い、スープがしょっぱい』


これは口コミではなく、店主自らがそう公言している正真正銘の特徴なのである。


『こんな美味しさにこだわっています!』

『こんな食材使ってます!』


並の精神力の店主ではそうなるだろう。

しかし桑ばらは違う。


『うちのラーメンしょっぱくて麺固いです』


これが『本物』を出してくる屈強なメンタリティなのかもしれない。


美人が惜しげもなく変顔をするのと同じだ。

変顔を全力でやったところで、ベースが美人でありその評価が崩れることはないと知っているのだ。


自分に自信があるからこそできる『崩し』

桑ばらも同じなのだろう。


美味いものを出すという自負。

だからこそ一見『?!』と思ってしまうものもアピールポイントとして押し出していくことができるのだ。


早速味玉トッピングで塩ラーメンを注文。



美しい…!


『麺が固い、しょっぱい』

というどこか不器用な無骨さはどこへ。

澄んで洗練された一杯に高まる期待値。


スープを一口啜って唸る…!

『しょっぱ…!!!』


塩ラーメンは塩だれにスープを加えて作るのが一般的であると思う。


ただこのラーメン。

塩だれが少ししょっぱいとかそんな生半可なレベルではない。


塩だれとかじゃない。

もうダイレクトに『塩』


味のイメージがつかないだろう。

海水に麺が浸っていると思ってもらっていい。

(原始的な分かりやすさ)


そういうしょっぱさなのだ。

『塩』ラーメンなのだから、もはやこれが本物とも言える。


ここまで読むとそんなものが美味いのか?と思うだろう。


しかしこれが驚くことに美味い…!


複雑な旨味…!

とか

素材の味わいが…!

とかじゃない。


塩分。

塩分で食わせてくる。


しかしただ海水に麺をぶち込んだだけではこんなに美味くはならない。


しっかりと仕事がされている。

ほのかに香る魚介。

旨味が優しい。


だからなのか不思議と塩の角みたいなものが取れている感じがする。


キレッキレの塩スープなのにスッと飲めてしまう不思議な味わい。


もはややみつきである。


麺については博多ラーメンのバリカタぐらい。

パッツパツで美味い。


極端に固いとかそんなこともなくスープに馴染んでいると思う。


そして無視できないのがチャーシューだ!

チャーシューを炙る店にまずい店は無い。


香ばしく肉肉しいチャーシューはもはやサムギョプサル。


肉を食ってる!感がたまらなく、このスープと合わせることで焼肉を塩で食べているかのような満足感がある。


感覚としては焼肉でご飯をかき込むとかの感覚に近い。


そして食べすすめていると念押しのようにメッセージが。



俺は最初からそう言ってるからな?

(強烈なコンセプト)


たしかにこのお店は人を選ぶとは思う。

でも店主自らがそれをこだわりにして公言しているのだから!


たまに

『しょっぱくて口に合いませんでした』

みたいな口コミも見かけるがそれはナンセンスだと思う。


最初から店主そう言ってるじゃん?!

丼にまで書くレベルじゃん?!


事前調べが足りないことを恥じるべきまである。

(戦闘力高めの経営方針)


好きな人は猛烈に好きであろうこの一杯。

僕も定期的に足を運ぶと思う。


塩そば専門店 桑ばら。

本物の塩ラーメンがここにはある。