御船山楽園ホテルらかんの湯。
この上ないサウナ体験にととのい散らかした我々。
サウナはありとあらゆる感覚を繊細にするという。
そして水分も塩分も放出し枯渇した体に必要なのはそう!
サウナ飯…通称サ飯だッッッ!!!
サウナの後は飯が美味い。
細胞レベルで染み渡っていく食事。
体が水分を、塩分を、美味いものを求めている。
そして通常よりも繊細になった感覚は食事をいっそう美味しいものにする。
そんなサ飯を今回はスペシャルコースにランクアップ。
御船山楽園ホテルの夕食は地産地消にこだわった素材をいただく極上のサウナ飯。
体にも優しい、寛ぎの時間をいざ。
御船山の自然を一望できる開放感溢れるダイニング。
夕食への期待感が高まっていく。
まずはサウナ後の形式美を堪能。
ビールまでがサウナです。
のどごしとはビールのために生まれた言葉なのではないだろうか。
全身の細胞が、脳が震える。
(合法の極致)
ビールを経て真にととのったと言えよう。
この至福の中、前菜がスタートしていく。
アツアツの焼野菜。
この日のラインナップはレンコン、里芋、カブ。
これらを塩と味噌でいただく。
そのどれもがほっこりと甘くて、瑞々しくて、優しくて美味い。
工夫を凝らした調理も食べていて楽しいものがあるが、こういった素材を活かした食事はその土地を感じるようで旅情がある。
野菜に続いて瑞々しい前菜が止まらない。
柿。
これにてコースは終了です!
行き過ぎたヴィーガンかよ?!
ヴィーガンももっと量食べるだろ?!
(信条が関係なくなる量設定)
違う。
(当たり前)
渾身の水菓子ではなく、立派な前菜なのだ。
柿を白和えに…するだと…?!
ふんわりとした素朴さに柿のジューシーな甘さがたまらない。
溢れる果汁。
体に染み渡るではないか。
これもうサウナ飯を意識してますよね?!
ただのお宿の食事ではないですよね?!
サウナ後に倍増しに美味くなるよう考えられてますよね?!
器の部分もしっかりとくり抜いてお召し上がりくださいとのこと。
焼野菜に柿を一個平らげた僕たち。
圧倒的自然。
体が求めているのはこういうものなのかもしれない。
そして徐々に本格的な食事モードへと移行していく。
刺身は身がしっかりとしていて美味い。
アジにはとろろと味噌をかけて。
つるっと入っていくアジの爽やかさ。
ここまで油分をほとんど感じないコース運び。
胃に優しい。
食べるのが楽しい。
メインに移行していく前に少し休憩。
かぼちゃのすり流し。
これもまた優しいほっこりとした甘さ。
一息つける素朴な味わい。
安らぎが加速していく。
そして魚料理がやってくる。
白身魚のパイ包み焼き。
これが美味いこと美味いこと…!
パイの中には白身魚と練り物が。
ふわふわな練り物の食感にパイのサクサク食感がいいアクセントに。
加えて淡白な白身魚の風味にパイのバターの香りがこれまた絶妙。
前菜での素朴なウォーミングアップがここへきて開花していく。
美味さが徐々に高まっていくこの充実感。
コース料理の醍醐味がここに…!
魚の次は…
そうだよね、お肉だよね。
何て綺麗な佐賀牛。
牛肉という幸福の権化をこれもまたヘルシーに蒸しあげていく。
ファビュラス!!!
あまりのヴィジュアルに絶叫を禁じ得ない。
蒸した肉とは思えない艶感。
これにも野菜を巻いて食していく。
茄子のナムルですって…?!
瑞々しくもしっかりと味付けされた茄子。
肉も茄子も溶けるほどに柔らかい。
混然一体となる旨味×旨味。
しかし蒸しているからか全くくどくない。
ここまでそれなりに品数を食べてきているが苦しさが一切ないのだ。
終始優しくも満足感の高いコース運び。
コースも終盤。
箸休めに粋な計らい。
海鮮茶わん蒸し。
具材がゴロゴロでこれもまた優しいのに満足感がすごい。
終盤に向けて胃袋は絶好調だ!
最後はお鍋で締めくくり。
ふんだんに用意されたキノコたち。
お出汁はスッポンとカツオらしい。
啜ってみると何とも上品で豊かな香り。
ここへきて最高到達点の旨味を発揮してくる。
胃袋がじんわりと温まったところでフィニッシュ。
僕らの中の日本人たるDNAが喜んでいる。
デザートは抹茶アイスをいただいてコース終了。
ここまで結構な量をいただいたわけだが、胃もたれなどは全くない。
素材を活かした優しい調理に最後まで舌鼓をうつ贅沢なサウナ飯。
ここまで体験してらかんの湯は完成なのではないだろうか。
ぜひとも宿泊で楽しんでほしい。
次回は食後の散策。
御船山楽園で紅葉とバータイムを満喫。
作品のような非日常の景色と体験がそこにはあった。














