ついにやってきてしまった。
日本最高峰のサウナ施設に。
らかんの湯。
何を隠そうこちらのサウナ。
サウナ界のミシュランガイド『サウナシュラン』にて3年連続1位。
もはやサウナの殿堂と言っていい。
施設を紹介する前に感想を言わせてほしい。
『もうこれ以上のサウナには生涯出会えない』
これ以降、足を運ぶサウナに感動できなくなるのではないかという恐怖すら感じた。
前評判で上がりに上がったハードルを軽々超えてくるパフォーマンス。
こだわりのポイント一つ一つに感動し、ととのい散らかした。
もはや客室にはほとんどおらず、滞在時間のほとんどをらかんの湯で過ごしたほどだ。
この旅の最中、服を着ていた時間の方が短かったまである。
(野生への回帰)
そんな至福のサウナ施設らかんの湯をホームページの写真をお借りしつつ紹介していこう。
まず素晴らしい点は脱衣所から始まる。
普通ホテルの大浴場というとタオルは部屋から持参だと思う。
しかしらかんの湯は違う。
フェイスタオルが山積みにされており使い放題。
しかもその全てが今治タオル。
何一つ手を抜かない姿勢が既に見て取れる。
そして浴室の扉を開けると素敵な内湯が。
木の温もり溢れる大浴場。
サウナだけでなく温泉自体も素晴らしい。
お湯が柔らかく滑らかでしっとりとしている。
少し体を温めたら早速サウナ室へ。
祈りを捧げる場所じゃん…
そう思わせてしまうほどに神聖で静謐な空間がそこにはある。
照明をかなり落とした暗い空間の中、サウナストーブだけを照らす柔らかい照明。
壁に一筋設けられたスリットからは自然光が差している。
そして置いてある桶にはこのためにブレンドされた『ほうじ茶』が入っているのだ。
このほうじ茶を熱されたサウナストーンにかけ蒸気を楽しむ。
ロウリュした瞬間に立ち上る香ばしいほうじ茶の香り。
香りがキツいということはなく、どこか土のような大地の香りすら感じる。
サウナ室内にテレビがないのも最高に良い。
BGMは御船山の山中からマイクを通して収音している本物の自然音。
虫や鳥の鳴き声に今自分が大自然に包まれているような感覚を覚える。
しっかりと体の芯まで熱々にしたらサウナの醍醐味、水風呂だ。
もはや神々しい。
外気浴までの動線が完璧なのは言わずもがな、この水風呂もこだわりが凄い。
天然温泉を16℃まで冷やして使用している水風呂。
肌ざわり、滑らかさがよくある水風呂のそれとは全然違う。
加えて棒状の浮き輪のようなものがあり、浮遊体験まで楽しむことができる。
サウナで熱々になった体で水に浮くという新体験。
一瞬死んだのかと錯覚した。
(ととのいすぎる)
まさに意識が空に吸い込まれていくような…
浮遊体験と言うよりは臨死体験に近い。
そして外気浴環境は申し分なく。
椅子も豊富に用意されており、ととのい難民になることはない。
フワフワした材質の椅子に身を任せて…
大きめの岩に横たわって…
木のデッキにそのまま寝そべって…
ありとあらゆる休憩環境が揃っており、何セットやっても新鮮なととのいがそこにはある。
もちろん露天風呂も広くて気持ちいい。
冬の外気浴は寒くなりがちなので、浅めのこの露天風呂でも十分にととのえると思う。
そして夜と朝で入れ替わる女湯サイドにはこんな現代アートのようなサウナまで。
真っ白な空間。
精神世界じゃん…
こんなサウナは見たことがない。
部屋だけでなく思考も真っ白に…無になっていく。
汗になり溶けていく脳疲労。
ぽっかりと空いたかまくらのような空間もプライベート感があってたまらない。
そしてこのサウナは『キューゲル』という氷のロウリュができる。
みかんやハッカやバラなど香りのついた球体の氷がサウナ室前の冷凍庫に完備されている。
好きな香りの氷を持って、サウナストーブに設置すると少しずつ溶けて蒸気へと変わっていく。
少しずつ、でも長く柔らかい蒸気を楽しむことができて何とも心地がいい。
そして水風呂も何やら芸術的で…
非日常体験ここにあり。
今までにないサウナ体験。
日常を忘れてリフレッシュできることこの上ない。
そして僕が最も感動し繰り返し入ったのが、最近できたばかりの薪サウナだ。
何この雰囲気…!
大自然の中のログハウスかのような温かみがある空間。
奥はガラス張りになっていて御船山の自然が広がっている。
そして一番奥の席から見えるのがこの…
超大型薪サウナストーブだ。
薪がパチパチと燃える様子を見ながらじっくりと熱を楽しむ。
大量に積まれたサウナストーンも贅沢この上ない。
そこへ水を投げ入れるかのように豪快なセルフロウリュを楽しむこともできる。
揺れる炎。
薪の香り。
静かな時間が流れるサウナ室内。
『リラックスってこういうことだなぁ…』
そして再び水風呂からの休憩でととのう。
これを何時間繰り返したことか。
らかんの湯は何時間でも居られてしまうのだ。
その所以は浴室内に設けられている休憩室にもある。
ここにもととのい椅子と焚き火が…!
そしてこの休憩室内には冷蔵庫が設置されており、中にはデトックスウォーターや塩プリンが。
塩プリン。
そんなサウナ見たことない。
枯渇した体に染み渡る塩分と優しい甘さ。
サウナ後のプリン…
めちゃめちゃいいじゃん…
ドライみかんも置いてあった。
フレッシュさは残しつつもドライフルーツの滋味ある優しい甘み。
めちゃめちゃいいじゃん…
そしてかんころ餅なる一口大のお餅と串も置いてあるではないか。
串に刺したかんころ餅を休憩室内の焚き火で焼いていただく。
さつまいもで出来たお餅だけにほっこりとした甘さがくどくなくていい。
めちゃめちゃいいじゃん…
友人と焚き火を囲みながら過ごす休憩時間。
これらは全て真っ裸で行われているということも忘れてはならない。
(率直に見た感じはやばい)
サウナから上がり真っ裸で焚き火を囲みながら餅を焼いて食べる。
原始人。
原点回帰。
人は戻ることができる場所を探しているのかもしれない。
何もかもを脱ぎ捨てて自然の中で、裸一貫で過ごし自分と向き合う時間。
そんな時間が現代人には必要なのかもしれない。
こちららかんの湯。
宿泊せずともお昼までは日帰り入浴が可能なのだが、僕としては宿泊で楽しむことを是非おすすめしたい。
日帰り営業時間はやはり混雑もする。
混雑していても良い施設であることに変わりはない。
しかし宿泊客のみの時間となると突然この施設は貸切になるのだ…!
これが本当に凄まじい。
元々部屋数もそこまで多くない御船山楽園ホテル。
事実僕たち3人で2時間近く貸切だった場面もあり、思う存分に好きなようにこのサウナを独占させていただいた。
この世の楽園…?
少し最高峰に来るのが早すぎたかもしれない。
これから行くサウナで僕は果たして感動できるのだろうか。
これから行くサウナが寂しいものになってしまうのではないだろうか。
もはや恐怖すら覚える素晴らしさにただただ震えた。
都内の人気サウナ施設は今やどこも満員状態。
しかしこのらかんの湯は宿泊することでただでさえ素晴らしい施設を独占状態で楽しめる。
これ以上のサウナは存在しない…
あらゆる部分でパフォーマンスが高すぎる。
そして何よりこのサウナを1位たらしめているのが施設ではなくホスピタリティだと思うのだ。
タオルは常に新品が山積み。
焚き火は常に新しい薪がくべられ、火が絶えることはない。
至る所で温かいお茶が設置されており、休憩室にあるプリンやお餅などは常に補充されている。
サウナ室内もこまめに床を拭いたりマットを入れ替えたりと常に清潔感が保たれている。
とにかく人の手がかかっているのだ。
常にスタッフさんが巡回しており、対応も温かくていい。
素晴らしいサウナは素晴らしいホスピタリティで築き上げられていたのだ。
3年連続1位は伊達ではなかった。
この文章でもハードルは上りに上がっていると思うのだが、その期待を簡単に超えてくると思う。
是非とも宿泊でこのらかんの湯を体験してみてほしい。
この滞在中8時間ぐらいはらかんの湯で過ごしたのではないだろうか。
部屋で過ごした記憶がほとんどない。
(もう部屋いらない)
心身ともにととのった後は御船山楽園ホテル渾身のサウナ飯。
今回は夕食をプレミアムコースで予約している。
サウナに入ると感覚が敏感になるという。
味覚もいつもより繊細になり、食事も美味しくなる。
次回は御船山楽園ホテルでの夕食を存分に楽しんでいこう。
ちなみにお土産に一式購入してきた。
ロウリュに使った飲用ほうじ茶。
休憩室で食べたドライみかん。
真っ裸で焼いて食べたかんころ餅。
(らかんの湯3点セット)
しばらくはお土産でらかんの湯に浸りたいと思う。











