しょうが焼きが好きだ。

 

あれほどに白米が進む肉料理が他にあるだろうか。

全日本人がDNAレベルで震える醬油ベースのタレ。

そこへこれもまた日本人が愛してやまない薬味、生姜の登場である。

 

鬼に金棒。

肉に美味いタレ、美味いタレに生姜。

鬼に金棒と機関銃ぐらいある。

(味の暴力)

 

妻に夕食は何がいいかと聞かれて

『しょうが焼き!』

と即答する頻度には自信がある筋金入りのしょうが焼きバカのこの僕。

 

先日職場の近くにこんなお店を見つけてしまった。



しょうが焼きバカ。

 

僕のことを呼んでいるのかと思った。

こんな店名があっていいのだろうか。

 

素敵すぎやしないだろうか…!

 

メニューを見てみると店名に恥じぬパフォーマンス。



しょうが焼きしかない。

 

豚のしょうが焼きのみならず『本日のお魚しょうが焼き定食』まで。

本日のお魚は定食屋ではよく目にするが、当たり前のようにそれもしょうが焼きにする。

 

豚と生姜にこだわったしょうが焼き専門店。

『気合い入ってんな…』

ニヤニヤしながら店の前で呟く僕はさぞかし不審者だっただろう。

 

こんな誘惑に抗えるはずもなく、昼休みに入店…!



えっ…めっちゃ豚喜んでるじゃん…

 

今から食べられるというのに大はしゃぎの三元豚。

正直これは食べ辛い。

(一筋の涙)

 

しかしこれが『生きる』ということ。

 

僕たちに出来ることは残さず、美味しく、感謝し食べることだけだ。

この店には真に迫った食育の現場があった。

(そんな重い気持ちで設置してない)

 

何とも豚愛溢れるこちらのお店。

昼休みが始まった瞬間にダッシュした甲斐もあり、限定30食のランチを獲得!



特上豚バラブロック生姜煮焼定食。

 

まさかしょうが焼きをブロック肉で食べる日が来るとは思わなかった。

 

小型の枕かよと言わんばかりの肉塊にしっかりと絡まるタレ。



この照り…後光がさしてる…?!

 

少し拝んだ。

もうこれは参拝と言っていい。

年に一度詣でたい。
 

箸を入れるだけでトロっと切れてしまう柔らかい豚バラ肉。

濃厚なタレと混然一体となり旨味が凄まじい。

 

これで白米をかきこむ幸せと言ったら…

出たこともない脳内物質が出たような気がした。

(快楽が過ぎる)

 

味変のタルタルソースもニクい演出。

 

全日本人が好きであろうまろやかさ、もったり感が加わり一気に味の方向性がシフトする。

そしてこれもまた白米に合う。

 

豚汁も一切手抜きが無いしっかりとした美味さ。

全体を通しての満足感があまりに高い。

 

さすがはしょうが焼きバカ…!

 

とんでもないバカが水道橋にはいたものだ。

僕もそんなバカの端くれとして今後もリピートしていこうと思う。

 

次はスタンダードな薄切りのしょうが焼きも食したい。