3月に入り気温も暖かくなってきた。
梅も咲き始め、春の訪れを感じる。
春とはそれすなわち出会いと別れの季節である。
桜が咲いて華やぐ雰囲気の一方で、散りゆく寂しさも感じる。
何が言いたいか。
そう。
人事異動シーズン襲来。
(会社員が最も春を感じるイベント)
桜より人事異動の社内掲示に目を輝かせる。
それが会社員の春の風物詩だ。
そして4月で社会人10年目突入のこの僕。
現在の部署は在籍6年。
ついにやってきた。
異動だ…!
(スリザリィィィン!!!)
現部署では管理業務ということで、業績管理をメインにあらゆることをやってきた。
従業員教育や管轄営業所の社内監査、労務管理から法務まで。
もはやただの便利屋稼業と化していた僕だったが。
この6年おびただしい量の資料を作ってきた。
春来る4月。
僕が次に行く部署ではどんな仕事が待ち受けているのか。
上司
『4月から管理業務が待ってるからね!』
僕
『なるほど。異動はするけど何も変わらないということか。(哲学)』
説明しよう。
僕の会社は東京にある本社のもと、地方ごとに支店があり、その支店が管轄地方の営業所を束ねるといった構造になっている。
今までは関東地方を管轄する支店で営業所の管理を行っていたのだが。
4月からは本社に異動になり、各地方の支店を管轄して管理業務をするということらしい。
要するに何も変わらないということだった。
(変わらないとは)
4月からもおびただしい量の資料を作りたいと思う。
現部署の経験が活かせるという点での安心感は大きい。
何よりどこかで単身赴任にならず、勤務地があまり変わらないことが一番嬉しい。
(家族と友人を最も大切にしたい人生であった)
そんなこんなで4月からは気分一新!
僕も一端のフレッシャーズではないか!
(ではない)
新しい環境!
あらやだ!もはや新入社員じゃん!
(32歳10年目)
この6年間の慣れという環境により奪われていった緊張感。
今こそ緊張感を取り戻し、心機一転で仕事に臨みたいと思う。
(4月から本気出す)
そんな異動の餞別なのだろうか。
こんなものをいただいてしまった。
何この高そうな瓶。
(感想偏差値3)
ウイスキーはハイボールにしてよく飲むのだが、我が家で飲むのは安いウイスキー。
冷凍庫で瓶ごとキンキンに冷えている雑な瓶とは一線を画すこの存在感。
王様が飲むやつじゃんこれ。
(精神年齢5歳)
見た瞬間に直感した。
これは瓶ごと冷凍庫にぶち込んではいけないやつだと。
書斎に飾っておかないといけないやつだ。
書斎無いけど。
応接室で
『良いウイスキーがあるんだが飲むかい?』
と言って差し出さないといけないやつだ。
応接室無いけど。
だって蓋がこれだよ?
何かでかい。
(語彙)
缶のキャップじゃない。
クルクル回さない。
(角瓶しか予感させない)
ウイスキーの水準として一定のラインを超えるとコルクの栓になるというのは判断基準として明確でいいと思う。
贈り物には栓がコルクのものを選ぶべし。
こちらのウイスキー『THE NIKKA』
ウイスキーに対する知識が欠乏しすぎているので友人に
『これはハイボールにしていいウイスキーなのでしょうか?』
とすぐに確認をした自分は大人としての自覚が足りないと思った。
これはどんなウイスキーなのか。
ホームページで見てみよう。
イシノ…リキガク…?
(アホの子)
ウイスキーでは感じたことのない概念が出てきてしまった。
意志の力学。
メッセージ性が凄まじい。
僕がいつも飲んでいるウイスキーなど
『お好きでしょ!角ハイボール!』
である。
(安心感)
どうやらこのウイスキーには
『思いの熱量が、時代を牽引する』
という松岡修造クラスのメッセージが込められているらしい。
一方僕がいつも飲んでいるウイスキーなど
『お元気でしたか!』
である。
(好き)
どうやら『THE NIKKA』は僕の知っているウイスキーではないらしい。
(概念レベルで異なる)
このウイスキーのコンセプトはこうだ。
ここまでウイスキーにマインドを持たせることが可能だったとは。
もはや自己啓発本レベルである。
これを飲むだけで…
今という時に向き合い、
フレキシブルに変わり続けながら、
伝統を問い直しながら、
導き出した信念を貫きたくなる。
(影響されやすいタイプ)
どうやらこれはニッカウイスキーの未来への意志と、創造のエネルギーの象徴らしい。
手紙レベルのメッセージ性。
恐るべしウイスキーの世界。
そして味わいはこのような感じらしい。
自分でこの味わいを伝えられる自信がない。
そもそもビビッてまだ開けていない。
(とりあえず一番綺麗な場所に安置)
しばらくはこの瓶を眺めながら冷凍庫で氷塊と化している角瓶を嗜みたいと思う。
今回はハイボール以外も挑戦してみるね…?
世の紳士淑女たる皆さまはオススメのウイスキー、美味しい飲み方を教えてほしい。
THE NIKKAのスピリットに恥じぬよう4月からも頑張りたいと思う。