コロナの感染者数がまた増加している。

 

ということで、僕の部署でもようやくテレワークの波が起こり始めた。

(凄まじい今更感)

 

というのも、エッセンシャルワーカーの色合いが濃い僕の会社だ。

テレワーク出来る部分には限界があり、今までなかなか進んでいなかった。

 

しかし世の中的にはそんなことを言ってられない現状もある。

 

ということで先週急遽決まったテレワーク。


『ちょっと来週テレワークしてくれない?』


こんなに簡単に決まるならもっと早く出来ただろう。

(意外と低かったテレワークという壁)

 

しかしこうも急に決まってしまうと困ることがある。

 

『テレワークの装備が何もない』

 

装備も何も家で仕事をするだけじゃないか。

皆さんはそう思うかもしれない。

 

しかし家で仕事をしてみると分かることがある。

それは職場環境が実はとんでもなく快適だったということだ。

 

この場合の『快適さ』は精神的なものを指すわけではない。

設備的な意味での『快適さ』を指している。

 

腰にフィットし、長時間座っていても痛くならないオフィスチェア。

 

物を置くのに過不足なく必要な物全てが手の届く範囲にあるデスク。

 

ボタン一つで水分補給ができるコーヒーサーバーにウォーターサーバー。


実は職場というのは最高のパフォーマンスが発揮できるようお金がかけられていたのだ。

(失って初めて気付く)


しかし突然のテレワークとなるとどうだ。

『無論そんなの何もねぇよ…』

(震え声)

 

試しにリビングのダイニングテーブルでやってみた。

しかしこれではあまりに椅子が硬い。

木材の椅子に腰へのフィット感など皆無である。

 

直角に等しく、お尻ももはやノーガード。

僕はこんな規律正しい姿勢で仕事をしている人を見たことがない。

(思う存分リクライニングしている人)

 

少し座っただけで脳細胞が理解する。


『これは終業の前に腰も尻も割れる』

 

もはや実働時間も持ちこたえられまい。

尻に至ってはもはや4分割という様相を呈している。

(激痛)

 

何より一家団欒、くつろぎの場であるリビング。

そんな安らぎの場に仕事という穢れを持ち込んではならない。


そこが仕事場という悪しき空気に汚染されてしまうではないか。

(仕事への価値基準がバグっている人)

 

一家団欒の度に仕事が頭をよぎるようなことはしたくない。

 

こうして僕は寝室の一画をテレワークスペースに選定した。


そして家にあるもので最低限のテレワーク装備を整えたのだ。


さぁ!

テレワークを始めよう!




想像よりも遥かに最低限。

 

言ってもそれなりの装備があるんでしょう?


僕もそう思っていた。

しかしシンプルで洗練された暮らしを追求する我が家に余計なものなどない。

(必要な物を買うだけで精一杯の暮らし)

 

急遽決まったテレワークなのだから用意しているわけもなく。


家にあるもので準備をしてみたら本当にこれで限界だった。


『必要最低限』

という言葉が初めてしっくりくる風景だ。

 

構成は非常にシンプル。

・座椅子

・テーブル

・PC一式

・社用携帯

・タンブラー

 

めがねの会社員の次回作にご期待ください

 

打ち切りレベルの潔さ。


ミニマリストも惚れ惚れのテレワーク装備である。

(ミニマリストも不自由するレベル)

 

普段の職場の設備が

『勇者の剣』

『勇者の鎧』

だとしよう。

 

するとこれはどうだ。

『木の棒』

『布の服』

これ以外の何ものでもない。

(はじまりの村)

 

しかし『仕事』というラスボスステージにいることは変わりがないわけなのだから。


然るべき装備を持たずに。

ロクなレベル上げもせず。

 

木の棒と布の服でデスタムーアを倒しに来たみたいな。

 

キャタピーとポッポでミュウツー倒しに来たみたいな。

 

敗色は始業前から濃厚である。

 

座った瞬間に分かる。

『これほぼ地面だな』

って。

 

背もたれがついた地面。


そしてテーブルについても足の自由が全くきかない。

姿勢はもはや固定である。

 

そこへPCと携帯というあまりに最低限装備。


かろうじてタンブラーという少しでも快適にしようという心意気がうかがえるものの、もちろんボタン一つで飲み物が出てくるわけもなく。

 

仕事中にコーヒーが無いと精神の安定を保てない僕は必要都度ハンドドリップしている。

(優雅な時間)

 

そして何よりも深刻なのが『無音』だ。

僕は無音で仕事が出来ない。

環境音にしても何らかの音を必要とする。

 

職場にいればコミュニケーションもあるし、何らかの音がしているので仕事もしやすい。


しかし閑静な住宅街である自宅。

この無音環境は凄まじい。

 

何だろうかこの自分と向き合うかのような時間は。

 

無音には時間の流れを感じないのだ。

無の空間で延々と作業をさせられている気持ちになる。

 

五条先生も領域展開をしながら言っていたではないか。


『生きるという行為に無限界の作業を強制する…』

『皮肉だよね。全てを与えられると何もできずに緩やかに死ぬなんて。』

 

そして僕は頭を引きちぎられる。

(特級呪物会社員)

 

音があると違うのだ。

時間の流れの中に自分がいることを実感できる。


作業をしながらもしっかりと終わりに向かっていることを実感できる。

 

この無音をどうにかしなければ。




適当なプレイリストを見つけて対応。

 

なじみのカフェなどないのだが、一人という無機質な時間に少しでも『なじみ』という安心感を取り入れたい。

 

当たり障りのないカフェミュージックが流れる。

これで仕事に集中できそうだ。

 

最低限のテレワーク装備。


さすがにもう少し充実させる必要性を感じずにはいられない終業時間。

(トレーニング後よりも痛い体)

 

世のテレワークガチ勢はどんな装備で臨んでいるのだろうか。


おすすめの椅子やテーブル。

はたまたテレワーク出来るスペースなどがあれば教えてほしい。

 

この全身の痛み…晴らさでおくべきか…!