これはアロマテラピーの記事を装いながらその大半はジェラートに関わるものです。

(混乱)


以前このブログにも書いたが、アロマテラピー検定1級を取得した僕。


その後もアロマテラピーアドバイザーを取得しマイブームが止まることを知らない。


そして本日海の日。

マイブームはさらなるステップアップを遂げた。

アロマハンドセラピスト。


アロマテラピーの知識のみにとどまらず、ついにハンドトリートメントを行えるようになる。


アロマテラピーには全く関係のない会社員であるこの僕は一体どこへ向かおうとしているのか。


この資格が仕事に役立つことは言うまでもなく一切ない。


ただ、僕はオイルを使用した肘から下の手の施術が可能になった。


プロとしてアロマハンドトリートメントが出来る会社員。

何とかしてこれを活かせないものだろうか。


会社の一室に施術室を設けて、福利厚生の一環としてハンドトリートメントを行うだけの人材として活躍できないだろうか。

(強力な後ろ盾を得ての独立開業)


そんな資格認定講座受講のため銀座へとやってきた僕。


楽しみな気持ちを抑えることが出来ず早く着いてしまったのだが、僕のようなお上りさんは銀座のようなハイソな街を目の前に何をしていいのか分からない。


辺りをぼーっと見渡してみると会場の目の前に気になるお店を発見した。

生ジェラート。


ジェラートはそもそも生じゃん。


思わず声に出して言いながらも1階の王子サーモンの方が気になって仕方がない。


サーモン専門店という非常にエッジの効いたお店である。


店内にはありとあらゆるサーモン関連製品が販売されておりサーモン好きにはたまらないだろう。


注目の全てを奪われながらも2階で生ジェラートは今日もたくましく生きている。

リビスコ 銀座店。


『毎日作りたて』

あたりが生ジェラートの『生』要素なのだろうか。


生という概念について自分の中で自信が持てなくなっていく。

そんな価値観の揺らぎにソワソワしながら2階へと進むことにした。


ちなみに僕はお気付きの通り、女子がキャッキャうふふしているジェラート屋にも躊躇いなく一人で入ることができる。


過去最高に一人で入ってキツかったのは池袋のプラネタリウムである。


しかも何を思ったのかバレンタインの日に一人でサンシャインにあるデートスポットでしかないプラネタリウムへと足を運んだのだ。

正気の沙汰ではない。


一応言い訳をしておくと、僕は銀河鉄道の夜が大好きだ。

読んでいて綺麗な情景が浮かぶ大変素晴らしい作品であると思う。

その銀河鉄道の夜がプラネタリウムで上演されるというのだから行くしかあるまい。


当時彼女でもいればもちろんそんな生き急ぐような真似はしなかったと思う。

しかしそんな青春など存在しないのだから仕方ない。


彼女もいないのだからもちろんバレンタインは暇だ。


暇な日にプラネタリウムでしかやっていない好きな作品を見に行ったらそれが偶然バレンタインだったというだけなのだ。


僕はカップルの間の席で仕切りとして使われ宮沢賢治の言葉を反芻しながらプラネタリウムを楽しんだ。


雨にも負けず

風にも負けず

雪にも夏の暑さにもまけぬ

丈夫なからだを持ち

欲は無く

決して怒らず

いつも静かに笑っている

そういうものに私はなりたい


彼女が欲しいという欲にまみれ、仕切りに使ったスタッフに内心激怒し、静かに奥歯を噛み締め咽び泣いた僕でも。

そういうものになれるのだろうか。

(なれない)


出口でスタッフがバレンタインキャンペーンで星形のチョコをくれた。


スタッフは僕を二度見していた。

僕がスタッフでも多分そうする。


帰り道に食べたチョコはほろ苦かった。


………。

なんか…湿っぽくなっちゃったね…

(地獄)


そんな僕なので休日の銀座で男一人ジェラート屋に入ることなどコンビニで買い物をするのと変わらない。


時間を潰すのはカフェではない。

ジェラート屋なのだ。

(根がイタリア人)


僕の好きなピスタチオがまだ無かったので、無難にミルクでいく。

ふーんオシャレじゃん。


店内には女性2人組とカップル。

そして僕。

軽いハーレムの形成である。

(ポジティブ)


しかし暑い日のジェラートというのはたまらない。

口溶けが良くミルク感もサッパリとしていて美味い。

自然な味わい。

さすがは生を名乗るだけのことはある。


こうしてジェラート屋でのんびり時間を潰した僕は5時間に及ぶ講座へ臨んだのであった。


実技指導がとにかく厳しかった。


もっと全身を使って!

手首をしっかり意識!

親指を浮かさないで!


お客様へのもてなしの気持ちを学び、筋肉や骨格の構造、施術の理屈を学んでいく。


ハンドマッサージってこんなに体力いるのかよ…


全身運動である。

エステティシャンって凄かったのだな…

そんなことを思うと同時にこう思った。


一体今自分は何をしているのだろうか。


僕は誰が何と言おうと会社員であって、普段は業績の分析や監査、人事総務や教育といった管理業務を行っている。


しかし今はどうだ。


相手にとって気持ちのいい施術が出来るかということに集中しオイルを流している。


受講を終えた後。

先生はこう言った。


今までよく頑張られたと思います!

これをもって、貴方達には日本アロマ環境協会認定のプロのアロマハンドセラピストという肩書きがつきます!


この肩書きに恥じないよう、自信を持って、場数を踏んで、活躍していってください!


お客様からすれば貴方達が一年目であろうとベテランであろうと関係ありません!

等しくプロという目で見られます!


なので、まずは立ち振る舞いだけでも構いません!

プロとしてしっかり振る舞うことを忘れずにいてください!


僕は思った。


僕は今日から会社員じゃない。

プロのアロマハンドセラピストだ。

と。

(趣味がそうでなくなる瞬間)


会社の名刺に肩書きとして入れたい。

むしろ今ある肩書きはいらないからアロマハンドセラピストを名刺に入れたい。

(8割本気で言ってる)


会議室をアロマの香りで包みたいし、関係各位にハンドトリートメントを施したい。


だってプロなのだから。


人はどうもプロという響きに憧れてしまう。

Progressを聴き始めてしまう。

(NHKプロフェッショナル仕事の流儀より)


しかし肩書きがあるからプロなのではない。

それに見合った実力があるからプロなのだ。

実力に肩書きはついてくる。


今自分にできることはその実力を高めることだけなのだ。


ということで足早に帰宅し早速準備に取り掛かった。

さぁ妻よ!

腕を貸しなさい!

(愛情という名の実験台)


休みの日は毎日やるよ!

癒しの押し売りである。

受ける方も疲れると思う。

(4連休という繁忙期)


本日自分が会社員であることをすっかり忘れた実技指導の全てをここに出す。

どうでしょうかお客様?


トリートメントオイルにはホホバ油を使用。


初回なので1%よりも少し薄い濃度で。


精油はラベンダーとゼラニウムをチョイス。


ラベンダーはリラックス効果を期待。

ゼラニウムは女性ホルモンへの働きかけを期待。


なかなかに良い香りで施術が出来た。


妻は

『本格的で気持ち良かった!』

と喜んでくれた。


お客様からの反応ってこんなに嬉しいのか!


すっかり接客業の虜である。

(人生の転機)


これからも施術の進行をもっとスムーズに行えるように練習を続けたい。

仕事はその合間に頑張りたい。

(このブログは会社の人も読んでいます)


新しいことへの挑戦はいつだって面白いものだ。

今日は新鮮で刺激的な経験ができた。


何よりジェラートがすごく美味しかった。