自分で言うのもアレなのだが多趣味な方だと思う。
登山などのアウトドア。
ダイエットから目覚めたトレーニング。
サウナに酒に美味いもの。
そんな中最近最も熱いマイブームがアロマテラピーだ。
もともといい香りは好きだった。
ルームスプレーやお香などいい香りの空間は心を軽くしてくれる。
しかし趣味との距離感がバグっている私だ。
趣味なのだから気楽に楽しめばいいのにそれが出来ない。
理想の趣味の楽しみ方(例:登山)
山登りって楽しそうだな!
とりあえず週末に近くの山登ってみるか!
私の趣味の楽しみ方(例:登山)
山登りって楽しそうだな!
とりあえず登山の基本…
山は危険だから応急処置の基本…
ロープワークの基本…
地図の読み方…
山岳植物…
一通り勉強するか!
全部勉強したら日本百名山のどれか登ってみるか!
重い。
趣味に対する熱量が重い。
初対面ですごい近い距離で質問攻めにしてくる女子か。
(ふーんビッチじゃん)
趣味ビッチなこの私。
理想の趣味の楽しみ方(例:トレーニング)
体を鍛えるぞ!
とりあえずランニングしてみるか!
私の趣味の楽しみ方(例:トレーニング)
体を鍛えるぞ!
とりあえず人体の構造…
食事の基本…
有酸素運動と無酸素運動の使い分け…
筋肉の仕組み…
勉強しないとな…
(本ドッサリ)
全部勉強したらトレーニングしてみるか!
ガリ勉体質が過ぎる。
本を読む前にまず体を動かせ。
下手をすると知識を得た段階で満足する趣味すらある。
それはもはや趣味とは言えない。
実行に移していないのだから。
アニメでたまに登場する観測者ポジションかよ。
全てを見通す目 かよ。
(穿て!我が中二病よ!)
どうやら私は背後にある情報も込みで楽しむタイプらしい。
体験を素直に楽しめないタイプだ。
例えば温泉に入るとしよう。
温泉は気持ちいいのだから、浸かってのんびり楽しめばいいのだ。
『やっぱり温泉は気持ちいいなー!』
その一言で何も問題はないのだ。
しかし私はその温泉に体験だけでなく多くの情報を求める。
草津温泉の『草津』の由来あたりから知りたがる。
『臭い水』⇒『くさうず』⇒『くさず』
これが『草津』の由来であるということ。
温泉独特の香りによるインスピレーション。
そんな臭い水に入ることで邪気払いとしてきた古代の人々に思いを馳せる。
病気平癒やまじない的な発想で草津を訪れた多くの人々。
そして疲労回復を始めとした温泉の効能。
これも一つ一つ事細かに知りたがる。
得た知識を頭の中で反芻する。
こういう効能があるから気持ちいいんだ!
昔の人もこういう気持ちで温泉を楽しんだんだ!
得た知識を総動員した結果として最終的に訪れるのが…
『やっぱり温泉は気持ちいいなー!』
なのである。
自分で書いていて病気なのではないかと引いている。
すごく面倒くさい。
もっと気楽に楽しめば人生楽なのにと思う。
しかし同時に人生の濃度が高い自分を誇らしくすら思う。
(鋼の自己肯定感)
コース料理を食べていてもそうだ。
ただ『美味しいねー!』
という奴に対して何がどう美味しいのか気になって仕方がない。
コースのメニューを熟読したい。
何ならシェフを呼んでコースの組み立てについてその狙いを小一時間聞きたい。
食材の産地やその特徴についても知りたいし、調理方法についても詳しく知りたい。
この産地のこの食材を使っているからこの美味しさなんだ!
この調理法がこの食材をこんなに美味しくしているんだ!
この前菜の後に食べるからこの料理はこんなに美味しいんだ!
もはや食材を食べていない。
情報を食べている。
これはグルメとは違うのだ。
単なる情報中毒者である。
そんな私なのでアロマテラピーを趣味と呼ぶまでに相当な労力を必要とした。
趣味なのだから好きな香りのオイルでも買ってそれを嗅いで楽しめばいいのだ。
しかし私は気になるのだ。
香りとはそもそも何なのか。
どういったものが良い香りなのか。
オイルにはどのような植物が使われているのか。
どのような楽しみ方があるのか。
これを一通り学んでようやくアロマオイルを買いに行く。
これが私の趣味の在り方である。
(読んでいるだけでも疲れる)
そしてアロマテラピーを趣味にしてみようかな!
という思い付きは即時にこのような形となって表れる。
資格試験の受験。
前世で情報に親でも殺されたのだろうか。
これでもかと言わんばかりの熱量で情報を求めている。
アロマテラピーを趣味にしてみたかったのでとりあえずアロマテラピー検定1級を受けることに決めた。
試験までの準備期間が4か月程と十分に確保できていたので2級は飛び級することとする。
どうせ2級の内容を勉強したら1級の内容を知らずにはいられないのだから。
最初から1級で全ての知識を獲得する方が逆に効率的というものだ。
そして合格した。
(ガリ勉パワーを当たり前のように発揮)
受験を通していろいろな知識を得ることが出来た。
香りは電気信号で脳へと伝えられること。
様々なホルモンが関係していること。
植物によっていろいろな抽出方法があり期待される効果も様々であること。
嗅ぐだけでなくいろいろな楽しみ方ができること。
アロマテラピーを取り巻く法律。
アロマテラピーの歴史。
アロマオイルの楽しみ方がグッと高まったように感じる。
良い香りだ!脳に働きかけてるな!
ゼラニウムいいな!ホルモン整ってるな!
ジュニパーベリーは落ち着くな!さすがヒノキ科だな!
ジュニパーベリーなど何も知らずに嗅いだらベリーだと思うだろう。
苺とかの仲間かな?
そう思うに違いない。
しかしこれはヒノキ科なのだ。
ヒノキ科の植物の実なのだ。
ジンの香りづけにも使われる。
奥行きがある落ち着く香り。
知っていることで感じられる香りは確実にある。
こうして晴れて趣味の仲間入りを果たしたアロマテラピー。
しかしいざ合格してみるとその先もあるというではないか。
新しい情報を鼻先にぶら下げられて黙っていられる私ではない。
まっしぐらである。
猫にチャオチュール。
犬にペディグリーチャム。
私に情報。
よだれをまき散らしながら一目散である。
(狂気)
合格通知の到着とともに予約を入れた。
アロマテラピーアドバイザー認定講習。
そして
アロマハンドセラピスト認定講習。
7月に認定スクールへ足を運ぶのだが私は一体何を目指しているのか。
トレーニングでは即答できる。
私は目指さない。目指されるのだ。
と。
(当たり前のように即答するヤバさ)
しかしアロマテラピーに関しては自分でもどこに向かっているのか分からない。
トレーニングが趣味のアロマハンドセラピストは物流業界の会社員。
情報が複雑すぎて脳がバグる。
というかこの中でアロマハンドセラピストが圧倒的に浮いている。
認定講習会にはアロマテラピーに何らかは関わっている人たちが来るのだろう。
自己紹介を円滑に終える自信がない。
A『アロマオイルの販売員やってます!』
B『エステティシャンをやってます!』
C『物流関係のサラリーマンです。趣味で来ました。』
このCの危険因子感は字面だけでも尋常ではない。
『実技講習でペアになりませんように…』
そう願わずにはいられない迫力がある。
しかし私も趣味を楽しむためにはもう引けないのだ。
いくところまではいってしまわないと趣味として楽しめないのだ。
不安しかないわけだが残り2つの資格取得に向けて頑張りたいと思う。
妻にはテンション高めに伝えた。
『これから毎週ハンドマッサージしてあげられるよ!』
妻は不安だったに違いない。
旦那は一体何を目指しているのだろうかと。
会社辞めてアロマセラピストになる!
とか言い出すのではないだろうかと。
安心してほしい。
これは趣味でしかないのだから。
(家族を不安にさせる熱量)
アロマテラピーは良い。
良い香りはどんなときにも安らぐ。
手軽に楽しめるのもいいところだ。
せっかく資格を取得したのだからアロマテラピーの良さも発信できたらと思う。
趣味を持てる人生は幸せだ。