サウナへの渇望
サウナに行きたい。
今無性にサウナで汗を流したい。
今無性にサウナで整いたい。
皆さんはサウナトランスという状態をご存じだろうか。
その状態にたどり着くためには正しいとされている入り方、作法が存在する。
しかし安心してほしい。
(別に不安じゃない)
それはそんなに難しいものではない。
①サウナに入る。
②水風呂にダイブする。
③休憩する。
この工程を3セット繰り返すただそれだけだ。
工程を一つ一つ見ていこう。
①サウナに入る
まずは体を清め、全身の水分を拭う。
『今から灼熱に身を投じるのだ』
そんな覚悟を予感させるような表情をするのがポイントだ。
サウナの中では思うままに過ごす。
頭を空っぽにしてただただ時の流れを感じるもよし。
日頃の考え事をまとめ頭の中を整理するもよし。
自分と向き合い己とは何かを考えるのもよし。
サウナはさながらマインドフルネス。
瞑想にも近い自分と向き合う時間なのだ。
②水風呂にダイブする
サウナの醍醐味はサウナに非ず。
水風呂こそがサウナの醍醐味に他ならない。
水風呂がステーキだとしたらサウナは付け合わせのニンジン。
水風呂を高めるためにこそサウナは存在する。
その証拠にサウナを愛する民サウナーの聖地と呼ばれるサウナでは水風呂に力を入れている施設が多い。
天然水の水風呂。
滝のように降ってくるマッドマックスボタンがある水風呂。
泳げる水風呂などなど。
水風呂を愛して初めてサウナを愛していると言えるのだ。
ダイブの前にはサウナでかいた汗を流しておくことも忘れてはいけない。
そうして水風呂にダイブし、動かずにいることで面白いことが起こる。
サウナで熱せられた体表の温度が冷えた水風呂との間に温度の層を形成するのだ。
冷たい水風呂なのにじんわりポカポカする。
人はこれを天使の羽衣と呼ぶ。
こうして天使の羽衣を纏い、体が適度に冷えたところで最終ステップだ。
③休憩する
サウナにはだいたいベンチなどが置いてある。
外気浴ができるスペースがあるとこの上なく良い。
そこで言葉を発することなくただただベンチに身を任せ目を閉じる。
するとここで神秘的な体験が待っている。
空気と自分が混ざる。
これが俗に言うサウナトランス。
『整った』という状態である。
この状態になると人は『整ったぁぁぁ』と心の底から呟き、脳内では虹色の曼荼羅がくるくると回る。
参考資料:ドラマ『サ道』
頭がふわふわとした浮遊感に包まれ、周囲と自分との境界が曖昧になる。
自分が空気中に溶け込んでいるような不思議な感覚。
自然と一体になったような全知全能感。
この時点でその人につまらない悩みや考え事はもうない。
何もない自分。
何もないけど全てがある自分がそこにいる。
サウナとは今までの自分を脱ぎ捨て、新しい自分へと生まれ変わる所作なのだ。
サウナの価値を高める熱波師
そろそろサウナトランスしてみたくなってきた人もいるだろう。
しかしこのサウナ体験をさらにステップアップさせるイベントがある。
それがロウリュ。
そしてアウフグースである。
皆さんは熱波師と呼ばれる人々をご存じだろうか。
日本ではアウフグース加藤さんやマグ万平さん、エレガント渡会さんなどなど。
もはや名前だけで『ただ者ではないな…』と直感させる職人の方々だ。
熱々に熱したサウナストーンにアロマオイルを配合した水をかける。
良い香りが蒸気となって立ち上る。
これがロウリュだ。
自分でサウナストーンに水をかけることが出来るセルフロウリュができるサウナなどはポイントが高い。
こうしてサウナルームの中で暴れる蒸気の中、タオルを振り回して蒸気を行き渡らせる猛者がいる。
それが熱波師である。
訓練されていない一般人が行うと命にも関わりそうなこの行為。
立ち上る蒸気の熱さは凄まじく、呼吸をすることさえ困難なほどである。
そんな中タオルを振り回し、時には一人一人にその熱波を届ける熱波師。
このアウフグースがサウナの価値を数倍にも跳ね上げる。
時間制でアウフグースサービスを行っているサウナでは、大体一人一人に熱波を浴びせかけてくれる。
体全体で味わうその熱波たるや。
悩みの全てを焼き尽くすような爽快感がある。
全員へ熱波を届け終わった頃にはサウナルームが拍手で包まれ、熱波師を讃えるという一体感も生まれる。
知り合いでも何でもない裸の男たちが狭い部屋に集結し恍惚の表情で拍手をする一体感。
一体これはなんのカルト宗教なのか。
ただ、サウナには人をそうしてしまう狂信的な要素、快楽が存在する。
サウナを楽しみたいあなたはこのステップへ足を踏み出してほしい。
水風呂から逃げず、休憩を疎かにせず、アウフグースへ踏み出してみる。
きっと鮮烈な体験があなたを待っているだろう。
とはいえ躊躇しているあなたに
最後にサウナを学べる参考作品。
そしてデビュー戦におすすめのサウナを紹介したいと思う。
サウナに浸りたい時は『サ道』
マンガだけでなく映像化も素晴らしいこの作品。
特にドラマでは原田泰造というキャスティングが見事にハマっている。
私の最近の癒やしはサ道を見ながらビールを飲むことである。
実在のサウナが山ほど出てくるので、サ道の聖地巡礼なんてのも楽しめるに違いない。
私自身も今年の目標はサウナーの聖地、静岡県『しきじ』に足を運ぶことである。
デビュー戦には外さないスカイスパ横浜
マンガ『サ道』でも冒頭を飾っているのがこのスカイスパ横浜なのだ。
サウナルームから横浜の夜景が一望できるという素晴らしいサウナだ。
休憩スペースも申し分なく、レストランではサウナ後のビールにおつまみセットとぬかりがない。
アウフグースのサービスも定期的に開催されている。
アウフグース加藤こと、箸休めサトシさんによる熱波も受けられるのでこの上ないアウフグース体験となるだろう。
サウナの魅力はスカイスパ横浜で全て手に入る。
見よ!
この脳が溶けた男の姿を!
(この頃は世界も平和だった)
アウフグースを受け完全に整うと目を始めとした表情筋が仕事をしなくなるんですね。
私の顔がにわかせんべいなのですが。
こんなに表情緩められたのかよ自分。
(警戒心が野良ネコのそれ)
ここでサウナに完全にハマった私。
今や行きたいサウナだらけである。
北欧でサ道ごっこ。
天空のアジトことマルシンスパでオロポとチャーシュー。
しきじで聖地巡礼。
サウナへの渇望は尽きることがない。
何かと気を遣うご時世ではあるが、サウナで整ってみてはいかがだろうか。