本日の読書感想文

こんにちは、michiです

最近

以前買った本を読み返すことが増えました

こちらもその一冊

盲目的な恋と友情

辻村深月 著


 

あらすじ 

 一瀬蘭花(らんか)が所属する大学の管弦楽団に

指揮者として茂実星近(ほしちか)がやってきた

星近との恋愛に盲目的にのめりこむ蘭花だが

あるとき星近の裏切りを知ってしまう

蘭花は友人の留利絵と美波に相談するも

「星近の恋人」を終わらせる気持ちはなかった

 留利絵(るりえ)は

悩みを相談をしてくれた蘭花を嬉しく思う一方

星近と美波(みなみ)を疎ましく思っていた

そして「蘭花の親友」であることに執着していく…

 

感想(少々ネタバレ) 

 バイオリンを通じて仲良くなった

タイプの違う二人の女子

前半は蘭花、後半は留利絵の一人称で描かれる

拗らせに拗らせた心理描写が

こわ面白いです

 

 蘭花

初めての恋に盲目的になる蘭花

誰もが羨む美しさに無自覚で

一見、性格もルックスも良い印象ですが

いやいや意外に自己中(^-^;

 

「菜々子」を美しいと思っていたのに

星近に裏切られたと知った後は

「オバサン」と侮辱したり

困った自分を助けてくれた留利絵を

星近が訪ねてきた夜に家から追い出すようにして

星近が帰った後も連絡しなかったり

 

「恋」に囚われすぎて

自ら闇に落ちていったように思いました

 

留利絵

そして留利絵も負けていない 笑

誰かの一挙手一投足に

いつも心をドロドロさせてます

 

しかも留利絵の場合は

相手に対する憎悪が強すぎて

美波をはじめ、周囲の人とのやり取りに

かなり被害妄想が入っているのではと感じました

 

盲目的。。。

「自分はモテない、情緒が薄い」という蘭花

「女の敵は女」という留利絵

 

「恋」と「友情」それぞれ執着する二人

 

人って

半ばあきらめていたことを体験した時

自分でもわけがわからなくなるのかも

 

盲目的になる原因は執着

そして執着の中身は

嫉妬、承認欲求、劣等感かな。。。

 

行き詰ったそれぞれがとった思わぬ方法

愛と憎しみは紙一重なラストに

良い意味で裏切られました