お店に来るまでは、笑顔はほとんどなく、キリッとしたお顔だった親分さんでしたが、
披露宴会場を出た途端、別人のようにずっとニコニコと話し始めました
親分さん「ワシらはな、一般の方に、迷惑がかからんようにせなあかん。
今は、店の中はワシらだけやからな。ガハハハ」と。
そして、Aちゃんの旦那さんのBさんの事を話し始めました。
親分さん「Bと初めて会ったのは、まだアイツがガキやった頃や。
アイツは小さい頃に親に捨てられてなぁ。ずっと孤児院で育ったんや。
そやけど、孤児院には馴染めなくて、夜にしょっちゅう抜け出してたんや。
ある時、道歩いてたらアイツがおってな。冬なのに、上着も着てないし靴下も履いてない。寒そうに座ってたんや。
「家どこや?どっから来たんや?」って声かけて、温かい飲み物を買ってやった。
帰りたくないって言うから、とりあえず店に入って飯を食わせてやった。
そこからの付き合いや」
そうして、親分さんの傍で、同じ道に進んだそうです
親分「まだガキやったのに………アイツは、一人で生きてきたんや。
そやからな………あんたらは、ご両親を大切にせなあかんで」
私達が「はい」と言うと
親分さんはまたニコッと笑い、頷きました。
親分さん「ワシはな、コイツラが本気でやりたいと思ったことは、何でもやらせてやりたいんや。
ワシは、コイツらの父親やからな。
アイツ(店長)は、ずっと自分の店を持つのが夢やったから、店を持たせてやった。
Bはな、ある日「ある国家試験を受けて、資格を取りたい」とワシに言ってきたんや。
お前がやりたいなら、やれ。ワシが精一杯サポートしてやるって言って、
すぐに専門学校に通わせてやったんや。」
そして、Bさんはある国家試験に合格し、そちらの道に進むことになったそうです。
そこへ………急いだ様子で、Bさんが走ってやってきました
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