梅佳代さんのウメップを実際手に取って読むことができましたので、感想を綴っていきます。
ほんとはおすすめされたのはウメップではなくてナスカイだったのですが、見当たりませんでしたので同じ作家の本をということで手に取ってみることに。
ナスカイをおすすめされた時に「俺たちが本当に撮りたかったものってこういうものだよな。俺たちはいつから道を逸れてしまったんだろう。なんのために写真をやっていたんだろう。気付いたらそうでは無くなっていた。」と言われました。
「頼むから買ってくれ。本当に何も思わなかったら俺が代金保証する」
そこまで言われて、そっかぁまぁいつかは買ってみてもいいかもな。くらいに思っており、結局何ヶ月も買わなかったです。
そこで目についたウメップを読んでみることにしたのですが、僕が感じた第一印象は『生々しくて現実味のある川内倫子みたいだな』と思いました。(川内倫子もたくさん読んだことがある訳では無いので、それはちげえだろと思った方はすみません。)
ずっとスナップ写真が好きで、5年ほど写真生活に没頭していた訳ですが、僕の浅い人生経験においてはどこか懐かしさを感じるような、撮影者と被写体の距離感がすごく近いような写真が撮れる機会ってあんまりなかった気がするんですね。
読みながらずっと謎だったのが「なんでこの人はこんな場所(例えば学校の中、しかも色んな学校や色んな生徒)でこんなに距離感が近く、自然な表情や自然な笑顔でありながら、時にはちょっと変な人だったりを『撮れる』んだろうかというような謎な感じも浮かび上がってきまして。
なんでちびっこと友達なの?なんで中高生と友達みたいな距離感なの?と、全ての写真にすごく「近い距離感」を感じます。
それとなぜ川内倫子みを感じたかというと、それは写真集の構成の話で、「何がどうって訳でも無いけどなんか共通項あるよね」というような見開きが非常に多いんです。
それは写真集だから当たり前っちゃ当たり前なんですが、この構成の独特な雰囲気が川内倫子の「AILA」そっくりなんですね。
(手元にないので並べたりはできないんですが。。。)
面白いのがどの写真もどこかの家のアルバムにありそうな、いい意味で普通な感じで、なんかいいんですよね。
撮影技術に逃げていない感じがすごく良い。
それでいて撮影者が女性であることは簡単に読み取れるようなガーリーフォトみも当然あって、すごく万人受けするというか、写真に詳しくない人にもみてほしい、良い写真集だなと思いました。