結末は知っており、ラストシーンもどこかで観たことがあった
実は、最終話を最初から最後まで通して観たことはなかった
DVDマガジン「松田優作」も以前購入した
しかし、全巻購入したわけではなかったため、最終話は未鑑賞のままだった
異質な作風
今回ようやく最終回「ダウンタウン・ブルース」を観賞して思ったこと
結末にもラストシーンにも異論はない
勿論、松田優作の演技は非の打ち所がない
しかし、作風にはいささか違和感を覚えた
毎回おちゃらけていた、工藤俊作がそこには微塵もいないのだ
一線を超えてしまう工藤俊作
ただ仲間の仇をとるためとはいえ、あそこまで激変してしまうだろうか
この異質な作風について、自分なりに思うことを少々語りたい
最終回の考察
ではなぜ、最終回だけあのようなハードボイルドでシリアスな作風になってしまったのか
なんの確証もないが、自分なりに考察してみよう
まず思うのは、主に2つの理由があるのではないかということ
①松田優作自身がドラマ『探偵物語』の続編を望んでいなかったのでは
ドラマ『探偵物語』の前に出演していた刑事ドラマ『大都会PartⅡ』でも、殉職していないにも関わらず続編の『大都会PartⅢ』には出演せずそのまま徳吉役を降板している
元々、どんな作品でも続編というのをあまり重要視していなかったのではないか
『探偵物語』の最終回は特に、松田優作の意向が製作や演出に反映されているという噂だ
工藤俊作が一線を超えてしまうのは、続編を作られないようにするためだと考えるのは極めて自然なことだ
(仲間が次々殺られる展開というのも、『探偵物語』らしくなかった)
②映画『野獣死すべし』の影響
『探偵物語』撮影当時は、映画『蘇る金狼』と『野獣死すべし』の間の期間に位置しており、役に入り込む松田優作らしく両映画で演じた役の影響を受けているのではということ
しかし、これには少し補足が必要だ
どちらかというと、役ではなく、『蘇る金狼』や『野獣死すべし』の脚本自体に影響を受けた可能性を押したい
こういう展開、こういう結末、こういう役もありなんだなと『野獣死すべし』の脚本を読みインスパイアされたのではないかと思いたい
最終話のための長い伏線となっている
この最終回だけを観ても、それほど衝撃は受けないだろう
それまでの計26話で、工藤ちゃんとして動き回っていた工藤俊作を把握した上で
最終話での落差を知ると、かなりの衝撃を受ける
全ては最終話のための伏線なのだ(結果的に)
松田優作ファンなら、一度は通してドラマ『探偵物語』観ておこう
現在、BS12で改めて『探偵物語』を再放送中だ