さあ映画館に入って真ん中の席に座ったと思ってください。
暗くなって映画が始まる。
ドキドキする?
するね。
楽しみだったもんね。
だって主役は君だから。
原作は誰?ー 君
脚本は?ー 君
プロデューサーは?ー君
キャスティングは?ー 君
オーディションもやった?ー 君がやったし、気に入った役者だけ選んだ。
ロケーションは ー 君が全部ロケハンして決めた
制作費は?ー 全部君が出した
プロモは?ー 地道にやったよね君が
カメラマンは? ー 君が寝てる間も編集してくれる「脳」という部下がいつも無給で奉仕してくれるよね
で、この映画はいつ公開なの?
スピ「毎日、目が覚めたら上映です」
何時間の映画?
スピ「まあ平均24時間がワンエピソードです。もっと言えば、シリーズ化されてるのでパートワンからパート90ぐらいまで
続きます。ワンシリーズは、365エピソードです。」
長すぎません?
スピ「監督が納得いくまでこだわった作品ですから、いつ終わるのかは監督次第です。途中で同じエピソード番外編みたいなスピンオフもあるので目が離せません」
ファンはいるんですか?
スピ「いますよ。製作者本人です」
え?じゃ、自己満足の独りよがりの自主制作映画じゃないですか(笑)
スピ「そうとも言えますね」
何が面白くてそんなもの作るんですか?
スピ「何もかも思い通りにクリエイトできる醍醐味と、何よりも主役としての成長がかかっているので何回もやり直しをしながら
高みを目指すアーティストとしての快感があるからじゃないですか?面白いことに、この映画では演じる時に実際に生身の人間が味わえる最大限の体感、つまり、喜びや痛み、嫉妬や怒り、後悔や許しなどの、感情と肉体のリンクがリアルタイムで味わえる三次元
スタジオになっていますので、役者としてこれ以上ない臨場感を出せる絶好の設備なのですが、役者によっては、あまりのリアリティーの高さに、つい、演じているんだということを忘れてしまい、本当にその役の人生を生きてしまう方も多いようです。
そうなると、三次元スタジオでありながらそれが本物の世界となってしまい、役から出られないなんておかしな現象が起きてしまいます。」
そうなった主役はどうするんですか?
スピ「まあ、そこまで入れ込んで演じておられるので誰も止められませんがね(笑)。私どもは役者の所属会社のマネージャーでして、
スピちゃんとか言われてますが、自分担当の役者のマネージメントが職務です。私どもが主役様に助言申し上げたくても、やっぱり役に入りきっておられるアーティストですからね、なかなか素直に助言を聞いてもらえることはありませんがね。かといってマネージャーですから、うざがられてもお世話がかりですから役者様から離れることはいたしません。」
絶対誰にでもマネージャーがついてるんですか?
スピ「絶対一人は付いてます。場合によっては人数が増えますし、ちょっと難しいかもしれませんが、本編よりスピンオフ作成に夢中になりすぎる主役様に付いては、パラレルワールドのご本人から台本通りに進めるよう強制的に本編に戻るシナリオが挟まれることもあります。」
耳が痛いです(笑)
スピ「このことを知っていただいているだけでも、私どもはありがたいです。ちなみに、あなた様ですが、最近ようやく本編に戻られましたね?」
ええ、おかげさまで。
スピ「生まれてまだオムツをつけていらっしゃる役の時が、一番私の助言を聞いてくださったのを懐かしく思います。
あの頃のようにまたお話しできて本当に嬉しですよ。」
こちらこそ諦めないでマネージャーでいてくれて感謝します。