永遠の命への願い
ろうそくのはかない灯（ともしび）は
灯の見えぬ先っぽに 揺れる背景をたたえて
その存在をひそやかに知らせる
心の奥の 目に見えぬ祈りを
揺れる見えない灯（ともしび）にふわりとのせる
煙にもなれぬ灯は 高く聳える堂内を どこまでものぼり続け
天井よりも高く 見えぬ姿のまま
天空へと どこまでも目ざしていった
ろうが消えてゆく 短くなる
現し身（うつしみ）のように 消えてゆく
だが 目に見えぬ灯（ともしび）は消えはてることがない
人ひとり ふたり いく世紀も
永遠に 願いのともしびが いつまでもいつまでも灯されつづける
煙になれぬ 揺らめくともしび
それは 永久（とこしえ）というものに 最も寄り添う
最も強く生き続ける 命
（9月21日 ローマ～サンタニェーゼ・イン・アゴネChiesa di Sant'Agnese in Agone教会）