ご無沙汰しております。

 

海外オーケストラの招聘を含む企画が音楽事務所より発表されたのは、今年1月のこと。相思相愛と呼ばれ続けたオーケストラとの創立記念を兼ね来日する予定だが、嬉しいと言うより私ひとり不安である。昨年12月は、指揮することが困難な巨匠の為に一肌脱ぎゲスト指揮者と思えぬ本気の姿を魅せてくれた。その彼も先月、健康上の理由により《シュトラウス・ターゲ》の8公演をキャンセル。

 

忘れてはならない、全身全霊を捧げ自らの解釈を音響芸術に昇華させる指揮者も我々と同じ人間。そして、芸術家であることを。世界中のファンから絶大な支持を得て、誰よりも信頼出来る1人であっても、精神面に体調面に7年先までスケジュールが一杯な人生と言うのは聴き手の想像を超える。

 

もし過渡期に直面しているなら、相手に合わせ柔軟に行動したい。公式発表があれば、ホテルを最初にキャンセルする。航空券に関しては延期しか手段がない為、他の候補を見つけ予約し直す。実は、これが最も厳しい。更に購入済みの公演チケットは払い戻しが出来ず、既に発売されている公演チケットの中からベストを選べるか。

 

万が一に備えて心の準備は出来ても、旅立つ前から躓くとテンションが上がらない。本命以外の公演や観光計画に身が入らず、あっと言う間に4月。振り返ると、彼が指揮する公演チケットを購入したのは11ヶ月前の発売日だった。その頃から、会社は休めるか辞めるか悩み、単なる診察はともかく歯科定期検診やMRI検査などは出発の1ヶ月前に合わせ主治医と計算。数週間前に3年に1度の派手な風邪を引けたのは、幸運。

 

滞在日数(昼)の栄養補助食品は持っていくが、それでも旅行費用は670,000円~700,000円になると思う。だから、彼が指揮する可能性が高くない限りワーグナーの国へ行かない。ドイツの物価上昇は、1年で約10パーセントと日本より深刻。飛行機は何時も通りANA&ルフトハンザのエコノミー(約2倍)、ホテルは我慢し4.5つ星のビジネスクラス、彼の公演(プログラムと席)だけは譲れないファーストクラス。

 

拙ブログに予告を綴り、想い一杯の記事を投稿すれば必ず夢が実現することを思い出し、ここに纏め記録とする。後になり、「あの日の投稿は何だったのだろう?」と言える日が来れば嬉しい。本来ならば、ドキドキ&ワクワク盛り上がる頃。でも、時には相手が私に齎す不安や心配もありでしょうか。Christianに忠誠を誓い11年。出発の1週間前になれば、気持ちが固まる。彼の愛する作曲家達の作品を勉強し始めよう。

 

↓この本の中に、彼が愛する作曲家達の想いが詰まっている。