ギリシャ神話でエコーとナルキッソスというお話があります。
河川の神、ケーピソスの息子として生まれたナルキッソスは憧れの的の美少年
そのナルキッソスに明るくておしゃべり好きの森の妖精エコーが恋をしました。
ある日エコーは全能の神ゼウスが仲間の妖精と浮気するのをかくまい、
浮気している間、ゼウスの妻ヘラと話をして気づかせないようにしていました。
これに気づいたヘラは激怒し、エコーが二度と話せないよう呪いをかけます。
それは〔他人の言葉を繰り返すことしかできない」という呪い。
「こんにちわ」といわれたら「こんにちわ」。
「あなたのお名前は?」といわれても「あなたのお名前は?」としか返せない。
こうしてオウム返ししかできないエコーは誰ともまともに会話できなくなりました。
傷ついたエコーは森の木陰からナルキッソスを眺める日々が続きます。
そんな中、ナルキッソスはエコーの気配に気づいて呼びかけます。
「隠れてないで出ておいでよ」
嬉しくなったエコーは勇気を振り絞ってナルキッソスの前に姿をあらわしました。
エコーはいいます。「出ておいでよ」
ところがナルキッソスはすでに「変な妖精」エコーのことを知っていました。
「何だ、おまえだったのか」
エコーは笑顔で「何だ、おまえだったのか」と応えます
「キミの悪いやつめ、お前なんか消えてしまえ」
喜んでナルキッソスの前に現れたのもつかの間、彼の仕打ちにエコーは
絶望の淵に叩き落されてしまいます。
しかし、彼女の口から出てくる言葉はやはりこれだけです。
「お前なんか消えてしまえ」
そして彼女は山奥の洞窟に隠れ、いつも涙にくれては「消えてしまえ」という言葉を
繰り返し、やがて体は痩せ細り、最後には「声だけの存在」になってしまいました。
エコーは体を失った今でもひっそりと山のどこかに隠れています。
その証拠にあなたが山に向かって大声で呼びかけると、エコー(こだま)は
同じ言葉で応えてくれるでしょう。
話はまだ続き、エコーに対するあまりにもひどい仕打ちをとがめられたナルキッソスは
復讐と因果応報の神メシスに呪いをかけられます。
それは「決して報われない恋をする」という呪い。
ナルキッソスは恋をします。しかしその相手は「水面に映る美少年」、
つまり自分に恋をします。
ナルキッソスは自分だということに気づかず、ずっと水面を眺め続けます。
手を伸ばすと水面が揺れ、その姿は消え、話しかけても返事はありません。
やがて彼は衰退し、命を絶ってしまいます。
そして水辺に佇む一輪の水仙の花と生まれ変わったのです。
この哀れな森の妖精エコー(ekho)が英語「echo」(こだま)の語源となっています
また、ナルキッソスの英語名「ナルシス」は、自己愛を意味する「ナルシズム」や
「ナルシスト」の語源となっています。
さらに、水仙も英語で「narcissus」といわれ、花言葉も「自己愛」というそうです
これは医学博士・理学博士の佐藤富雄さんからの文を参考にしたお話です。
あなたはこれを読んで何を感じ、何を思いましたか?
私がこの話を出したきっかけは仕事で思うことがあったからです。
今はメールやパソコンの影響もあり、直接コミュニケーションをとる機会が
少なくなりました。今働いてるところは傍にいるのに表現の伝わりにくい
メールなどで話すという寂しさがあります。
コミュニケーションの少なくなった今、会話で表現力の乏しい自分がいました。
でもある仕事を通じ、コミュニケーションとることの楽しさを知りました。
なので私は人と接するのが大好きです。
そんな中、価値観の違いや、タイミング、相性もありますが
色んな人から影で揶揄されることもありました。
揶揄したいなら好きなだけすればいい。 私はそう思います。
だけど揶揄したらした分、自分に返ってきます。
私はその法則がわかっているので悪口は言わないと決めています。
もし、私がその人を人として好きであればその人には、たとえ言いにくいことでも
その人のためを思うのであれば嫌われてでも言うことは言わなければと思い、
伝えるよう心がけています。
言葉は人を切りつけもすれば、癒し励ましてくれるパワーがあります。
32という年を経た今は言葉の大切さをとても感じますし、
私の周りや日々出逢う相手には誠意をもって応えたいという思いが強くあります。
今日書いたこの文が少しでもみんなの心のうるおいや繋がりになればと思います。
参考文書
ぜったい幸せになれる話し方の秘密 斉藤富雄 著