サピックス偏差値で60付近の学校は皆似たようなカリキュラムだと思って差し支えありません。

進度が早いのは数学だけです。

同じ理系でも理科は中三から高校の内容を先取りしますし、文系でも理系の物理化学を履修する、といった特徴はありますが、進度としてはそれほど速くありません。

 

数学だけは、中1の1学期で中学1年の教科書を終え、中1の2学期3学期で中学2年を終え、中2の3学期からは数Ⅰ、高校数学に入るという、公立中学からしたらびっくりの速さです。どこの進学校も一緒だと思います。

また、幾何学は中1中2の2年間、別立てで高校の数A「図形の性質」に相当する内容まで深堀りして学習します。

私はこれがさっぱりで、14点とか取っていました。ビリでした。

 

中学3年からは数学はαとβの2本立てで、数学Ⅰの範囲と数学Aの範囲を同時進行でやっていく形を取っていました。

正直、中3が一番辛かったです。突然高校数学に入り難しくなるうえに、ダブルで襲い掛かってくるので。

私は三角比と漸化式に苦しみました。(*個人の感想です)

高校1年の3学期には理系数学ⅢCに入っていました。

高校2年からは、残りのⅢCの範囲を学びつつ、完全に受験に特化した演習の授業との2本立てになります。

こちらの演習の授業は、難関国公立大学の過去問を扱っており、完全に大学入試レベルです。

高3はハイレベルな入試問題の演習に専念することになります。(ここでようやく文理に分かれます)

ただし、今述べたのは数学だけの話です。

英語は大して速くもなければ、学校のレベルの割に難しい授業が行われているわけでもありません。

社会科目も同様です。ただ、6年間の中でコマ数を十分に確保しているので、古代から始めて現代まできちんと終わります。

範囲が終わらない公立学校のような問題点がないことは長所といえると思いますが、それだけと言えばそれだけです。

体育や芸術、家庭科は休憩時間のような扱いでした。

(私は体育が苦手なうえに、いじめられていたためにいつもひとりぼっちで一番嫌な時間でしたが)

 

難関校の共通テストにおける強みは、地学の教諭が配置されていることが多いため、1年間地学を履修することができるために共通テストの選択肢に入れられることです。

私も病気がなければ、センター試験(当時)の理科は地学で受験するつもりでした。

 

あとは、国語は中学から始まる古文漢文の授業のレベルが高いため、共通テストでも二次試験でも塾いらずだと感じました。

 

鉄緑会は(受験において)放任主義の学校でもない限り、通う必要はないです。

通うとしても高校から、数学のみをお勧めします。

英語は東大入試に対応しただけの、旧態依然とした講義内容で、東大の入試の点数は上げられても実用的な英語は鉄緑会では身につきません。

あと、レギュラークラスとオープンクラスには天と地の差があるから何としてでもレギュラークラスに喰らいつけという言説も散見されますが、学校生活を犠牲にして鉄緑でレギュラークラスを維持するなんて本末転倒も甚だしいです。

 

サピックス偏差値60付近の進学校に共通するカリキュラムなので、ご参考までに。

ただし、英語に限っては、新興校ほど英語を重視し、御三家のような伝統校は相対的に英語を軽視するという濃淡があるので、英語教育に相対的に力を入れているかどうかは、受験、入学前にリサーチしておいた方が良いでしょう。

また、中高一貫校でも偏差値の低い学校ほど、英語の授業にコマ数を割く傾向があります。

最後に、進学校の定番検定外教科書が、数研出版刊行の「体系数学」シリーズです。

 
 
 

高校数学の教科書と言えば数研出版の教科書が一番難しいのですが、出版社が一貫校と協力して一番難しい教科書をさらに難しく、カスタマイズしたものです。

数学はこれを使って進めていく進学校が多いです。