中高時代、完璧主義の同級生がいました。

テスト対策は完璧にして試験は100点でないと気が済まない。

もちろん成績は学年トップで、各予備校から特待生(いくら授業を受けても授業料ゼロ。これが東京大学合格者を水増ししたい予備校の現実です)の勧誘を受けていました。

半年間予備校に通ってみたものの、最難関のクラスの授業でさえ「使えない」と半年で辞めてしまったのが彼らしいところです。

 

当然、同級生からも好き嫌いはっきり分かれていました。

ただ、彼の場合、私のように言動がおかしいとか、そういう性格ではなかったので、私のようにいじめのターゲットになっていたとかそういうことはありませんでした。

嫌いな人は彼には近づかない、という対応ですね。

 

進学校にもいじめはあります。

成績不振者は容赦なく留年させる一方で(だいたい留年者は下級生と学年が一緒になるのが居心地が悪く、そのまま退学していきます)、いじめによる不登校者は温情措置で進級させてあげるのが、不公平だという声も聞かれます。

それよりも担任団が真剣にいじめについて対策していないのが問題なのですが……。

 

思い出に残っているのは、彼が「100点満点間違いない」と思っていた99点の英単語のテストにブチ切れてクシャクシャにしてゴミ箱に捨てていたことです。

それも、完全な意味の間違いではなく、漢字を間違えて×にされたのですから、悔しかったのでしょうね。

でもそういったことをする彼を見て、比較的彼とは喋る方だった私も、「ああ、ついていけないわ」となって距離を置くようになりました。

授業が終わるたびに先生を質問攻めにしていましたが、先生もうんざりしていました。

まぁ、その先生も彼の完璧主義な性格を好んでいなかったのでしょう。

 

順当に東京大学に進学し、経済学を専攻し30歳の若さでとある大学の准教授になりました。

今流行りの「人新世の資本論」を書いた斎藤幸平のような感じですね。年齢的にも。

すっごく難しい経済理論の学術書も単独で出版なされて、すばらしい。

ちょっと書店で立ち読みしましたが、私にはちんぷんかんぷんでした。

 

ただ、学者として出世するには避けて通れない道なのですが、彼の准教授としての赴任校というのが、それまで彼が歩んできたエリート街道からはかけ離れた偏差値の低い大学で……。

彼が講義で言うこと、学生は理解できないんじゃないかな?って思います。

 

それ以上に「勉強はできて当たり前」の価値観で30数年生きてきた彼が「こいつらは全然俺の講義を理解してくれない」と独善的にフラストレーションを溜めている姿が見えてきてしまいましてね。

 

なんか、今更私が忠告する筋合いはないと分かりつつ「これから先も完璧主義で生きていたのでは、あなたが疲れちゃうし、人生何も面白くなくなっちゃうよ」と言いたくてたまらないのです。

レベルが低い学生に分かりやすく経済理論を説明するスキルこそ、高名な経済学者になることを目指すなら必要なスキルだと僕は思うよ。

あ、いつの間にか先達であるレオン/宇沢弘文が喋っていました。

 

今日も誰かに突き動かされるようにあっという間に文章を書いたのですが、レオン/宇沢弘文が彼に伝えたい内容だったようです。

 

上には上がいるけれど、目指そうとも思わない。

というのが、平和な生き方のように思える今日この頃です。

私も昔は向上心が高かったですけど、丸くなったというより年を取ったのでしょうか。

 

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