ドラゴンクエスト11、どこでどうプレイヤーの評判を見ても、「ドラクエ史上最高の名作!」と最高の評判で、事実大多数の方はそう思っていらっしゃることは認めます。しかし私は、PS4版での100時間のプレイを終えて強烈に違和感を抱きました。アマゾンレビューにこれから書くことと同じ内容を☆1つの評価で投稿しようとも思ったのですが、炎上が怖い小心者の自分はこのブログで主張するに留めます(苦笑)。

①     町に入る/出るたびにロード時間が長い

これは、ドラクエというより、最近のハイスペックのゲームの宿命なのでしょうか。100時間プレイして、ロード時間だけで1時間食った気がします。ロードしている間に、キャラクターや町、バトルの豆知識がランダムで表示される配慮はありましたが、それでも気になる長さでした。

……まぁ、でもこれは、僕だけではなく他のプレイヤーも異口同音に仰っているので、そういった意味ではいいんです。あまり問題ではないんです。ここからが本題。

②     従来のシリーズに比べても「武」「愛国心」が前面に出すぎ

もちろん、中世のヨーロッパをモチーフにしたゲームですから、王国や軍事都市がある程度登場するのは自然なことだと思います。

ただ、今作は、登場する町・城のうち、半数が軍事がらみで、シナリオを含めて「武」が前面に出過ぎている感じがしました。

「騎士道」が今作の大きなテーマになっているのですが、果たして騎士道は絶対的に「善」なのか?

騎士道が「善」であることを覆す展開にも期待したのですが、それはありませんでした。

大人がやる分にはいいのでしょうが、子どもがこの作品をやって、純粋に騎士道に憧れるとしたら、それはどうなのかなって思います。

あまり人の批判はしたくはないのですが、今回のシナリオ設定については、右翼的な政治活動を活発にされているすぎやまこういちさんの意向が強く働いている感じがしました。

2011年でしたか。ドラゴンクエスト25周年記念の雑誌を買ったのですが、すぎやまこういちさんがインタビューで、子どもたちに向けたメッセージとして、「国を守れないと、愛する人を守れないことをゲームを通して分かって欲しい」と述べていたことに強烈な違和感を覚えました。

すぎやまこういちさんの音楽は好きですし、政治的思想、活動も自由です。

ただ、いくらドラゴンクエストに欠かせない作曲者だとしても、個人の政治的信念は、国民的ゲームなのですから、あまり持ち込んで欲しくないなと思います。

③     体罰・徴兵を肯定するドゥルダ郷

軍事がらみの町が多い中でも、一番嫌だったのが終盤に登場するドゥルダ郷です。

主人公の家系、ユグノアの王子は出生から6年間、ここに修練に出されるって、それって徴兵制度と同じですよね?

大多数のプレイヤーの間ではむしろ人気のあるキャラクターなのですが、「ニマ大師」というドSな感じの女性指導者が「お尻たたき棒」で体罰を行うという設定に吐き気を催しました。

メインキャラである主人公の祖父・ロウが、一番できが悪くて何千回も叩かれたというエピソードが笑い話として語られている設定なのですが、出来が悪いとしてもロウは国王です。その国王に対して、ひどい見方をしているドゥルダ郷の人々にも強烈な違和感を覚えました。

「お尻たたき棒」が装備品として登場したのには戦慄したのですが、やっぱり私の感覚が大多数の人とはずれているのですかね。

④     オネエキャラ・シルビアの扱い

ドラクエシリーズで初めて、いわゆる「オネエ」のキャラがメインキャラクターとして登場するのですが、このオネエ、オカマキャラを、LGBTの人はどう見たのでしょうか?

LGBTの少なくない人がシルビアというキャラに違和感を覚えるなら、国民的ゲームとしてシルビアの登場は不適切だったと言わざるを得ないと思います。

でも、誰も、ネットのどこを見ても、「シルビアの登場はジェンダー学的に適切だったか?」なんて議論はされていないんですよね。こんなところに目をつけてゲームを楽しめない自分が突っ込まれてしまいそうです。

だからこそ、敢えてこの場で指摘させていただきます。

一方で、10で「勇者姫アンルシア」の登場という、「勇者=男」という固定観念を覆すような取り組みをしたことは評価できるのですが(11と同じプロデューサーです)。まぁ、ジェンダー学のことまで考えていないですよね。女性プレイヤーが参入、感情移入しやすいように、という配慮かな。

⑤     10からのシステムの流用の多さ

装備品をフィールドに落ちているキラキラを拾い、拾った素材から錬金して作るシステムは10と全く同一です。10で登場した、即死を防ぐ「聖女の守り」などの特技もそのまま流用されていて、10もやっている者からすると、「10のオフライン版?」という感じもしてしまいました。もちろんシリーズですからシステムの流用はあっていいのですが、スキルパネルの採用以外、目新しいシステムが見当たらなかったことも事実です。

⑥     過去作品からのBGMの流用が多すぎる

これも10をやっている人は同じ印象を抱くと思います。10はいい意味で過去作品のBGMがオーケストラでふんだんに使われていて、「懐かしいな」という感じがして好印象だったのですが、11でも同じものを聴かされると、「もういいんだけどな」という気がしてしまいます。「最高齢のゲーム作曲家」としてギネス記録に認定されたすぎやまこういちさんですが、ご高齢で体力的に作り切れなかったのだろうかとうがった見方をせざるを得ません。11オリジナルのBGMの種類がかなり少ないです。

⑦     モンスターの種類が少ない

Ⅲのジパング、Ⅳの武術大会、Ⅵの人魚など、過去作品をモチーフにしたエピソードが散りばめられているのは嬉しいのですが、じゃあ、モンスターも過去作品のモンスターが総集結するのか?と期待したら、むしろシリーズ中でもモンスターの種類が少なく、がっかりしました。

シナリオの展開に合わせて、同一モンスターを、目の色を赤色、緑色にして、「強」「邪」と2段階も強くして使い回ししているんですね。

「強」「邪」も含めると、公式ガイドブックに掲載されているモンスターの種類は600種類なのですが、実際にプレイすると200種類もいたかなぁ?「ドラキー→メイジドラキー」のような進化形も全部で1種類とカウントすると、さらにモンスターの種類は少なくなると思います。

その割に、11で初登場のモンスターも結構いるのです。

過去作品の懐かしいモンスターにPS4の高画質で再会できなかったのは残念でした。

⑧     ダンジョンで1回も雑魚にエンカウントせずに(当たらずに)最奥、ボスまで行けてしまう。

これは欠点というより、製作者の方がそういう仕様にしているのだと思います。Ⅸからドラクエもシンボルエンカウントになりましたが、11はモンスターに気づかれて追って来られても、操作を間違えなければ100%逃げ切れます。そうやって1回も雑魚にエンカウントせずにダンジョンの最奥部まで行けてしまいます。さらに、レベルが高いと敵は追ってこないどころか逃げていきます。裏の裏、ラストダンジョンですら、レベル90まで上げると殆どのモンスターが向こうから逃げて行きました。

⑨     経験値の取得量が過去作品に比較して半端なく多いため、嫌でもレベルが上がり過ぎてしまう

11はレベルが上がるのがとても早いです。従来の作品の戦闘回数の半分ほどでレベルが1上がる印象です。

私は中盤効率の良い雑魚の狩場を見つけて1時間ほど戦闘したら、レベルが10も上がってしまい、その後しばらくボス戦も含めて戦闘がぬるくなってしまいました。

知人も「ラスボスはほどほどのレベルで戦いたいのに、裏ダンジョンで勝手に上がり過ぎてしまった」と言っていました。

さらに、ネット上では有名ですが、「スーパールーレット」「スペクタルショー」という連携技の合わせ技により、簡単にメタルキングと戦えて100万ポイント近い経験値が得られてしまいます。

レベルが50を過ぎると必要経験値も増していくのかなと思いきや、レベル50付近から99まで、レベルアップに必要な経験値はほぼ一定でした。

これにより、1回の戦闘でレベルが7も上がり、あっけなくレベル99に到達してしまいました。

レベル99の強さを簡単に味わえると言えばそうなのですが、ちょっとあっけなさすぎです。

⑩     Ⅳを思わせる賢くないAI

オリジナル、ファミコン版のⅣでクリフトがボス相手にザキを連発するのは有名なお笑いネタですが、そこまで極端なことはないにせよ、この時代なのにAIの思考がお粗末という印象を受けました。

今作はボス戦もぬるいので、中盤まではAIに任せていても勝ててしまうのですが、終盤は全員「めいれいさせろ」でコマンドを指示することが必要です。

 
⑪存在する町・城の数が少ない
これはⅧにも言えたことです。3Dマップの限界なのでしょうか。特にボリューム豊富だったⅦに比べると少なく感じます。少ない町・城を、ストーリーの変化に応じて同じところで3回問題が起きてそれを解決することで、ストーリーにはボリュームを持たせているのですが、町・城の数が少ないことは残念でした。

 

批判ばかりではなんなので、いいところも書きます。

☆攻撃魔力のシステムの導入により、攻撃呪文で与えられるダメージが滑らかになった(これも10の流用と言えばそうなのですが)。従来のドラクエでは序盤の序盤、レベル3くらいでお払い箱だったメラでも、攻撃魔力が上がると100近いダメージを与えられるようになり、MPを節約したい時の最後の一押しとして終盤まで使えるようになりました(AIが判断して使ってくれます)。他の系統の最下級呪文も同様です。グループ・全体攻撃のギラ・イオはもっと使えます。

回復魔力も同様です。ホイミ、ベホイミ、ベホイム、ベホマラーも、回復量が固定ではなくなり、回復魔力が上がると回復量が少しずつ増えるので、レベル上昇による成長を実感できます。

 

こんなところですね。あー、スッキリした!仕事とは全然関係ないけど(笑)

 
私はゲームレビュアー……ではなく、大天使ミカエルとガブリエルの息子、熾天使エマニュエルの分体として、天使界から派遣されたメッセンジャーとしてご縁のある存在のメッセージをブログにて発信しています。(ゲームも好きです)

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