夕刊には週に一回映画館の情報が載りますよね。

14、15の土日はそんなに予定もなかったので、どんな映画が今流行っているのかな~

と軽く眺めていたら

「流浪の月」が目に入った。

いつも使っているイオンシネマではやっていない

やっている映画館はどれも電車やバスを乗り換えないといけない

 

でも、ネットの紹介記事ではとてもよさそうに感じたので

(だって松坂桃李が主演だし、娘の好きな横浜流星も出るし(*^▽^*))

土曜日の13時15分の上映開始の席をネットで購入。

行ってきた。

 



この作品は「本屋さん大賞」を受賞した作品の映画化で

私は原作を読んでいないから

映画の冒頭からしばらくは、ちょっとまごついた。

でもだんだんストーリーと映像の美しさに取り込まれて

集中していく。

 

次第次第にダブル主演の広瀬すずの演じる家内更紗に感情移入してしまって

後半はずっと泣いていた。

ハンカチタオルで涙を拭いて、マスクをずらして鼻を拭く

何度も何度も鼻を拭く

この前の文楽「競伊勢物語」で隣に座って泣いていた女性の100倍泣いた。

通路際の席で、隣には誰も座っていなかったからよかったけど

もしいたら、引くだろうな~

あのおばさん、やばいんじゃね?とか

ネットでつぶやかれそう

 

風景が本当に美しい。

でもとても恐ろしい映画だった。

 

ひとつはネットタトゥーの恐ろしさ。

「加害者」はもちろん

「被害者」も何年たとうが

社会からはじき出されてしまうこと。

文と更紗の「ロリコン誘拐犯」と「被害女児」の関係は実は「世間の常識」が作り出したものなのにもかかわらず。

 

誘拐犯と被害女児として引き裂かれた二人が

事件から15年たって深夜のコーヒー店で偶然の出会いをする。

それぞれ困難・苦しみを抱えて・・・

でも世間はそんな二人を決してそっとはしてくれない。

 

アセクシャルについても感情移入・・・

 

 

帰り道、当然本屋に寄り

文庫版の原作「流浪の月」を買って読み始めた。

映画では削ぎ落された背景を補充しつつ

映像に選ばれたシーンの確かさに驚く。

 


 原作を読み終わったら、もう一度映画を観たい・・・と思わされた。