句会で、自分の句が選ばれないって結構きついものがある。

NHK俳句の司会をしているエッセイストの岸本葉子さんも、句会というものに出るようになって最初の頃はひとつも選んでもらえず、「どうしたら選ばれる句を作れるのか」を本にしていらした。

こういう本を読んでいたおかげか

私は始めてすぐ一句や二句は選んでもらっていたし、

特選とかも時には頂いていたから

才能があるんじゃないか?と勘違いしていたけど

今年の3月の句会はどれも撃沈した。

四月初めの句会でも、一句も選ばれず、「どうも今回の実來さんは・・・」と師匠(座の代表)に苦言されたけど、「今回」だけじゃなくて「この頃」ダメダメだったのだ。

 

でも、うちの師匠は優しい。ちょっとエッチなところのある82歳のお爺さんだけど、初心者の指導にたけているんだな~ダメダメだった四月初めの句会のあと、飲み会に誘われて、その時「花鳥風月はよっぽど上手いなら別だけど、そうでなければ詠むな。人生・生活・実感を詠め」とアドバイスをくれた。

 

そうか~3月4月と春の美しい自然に夢中になって、花や鳥や美しいものを読んでしまっていた。でもそれらは所詮「季語の説明句」になっていたんだな~

初心の頃は意識しないで実感を詠んでいた・・・と思う。

師匠からのお褒めの言葉も「生活の句」「実感がある」だった。

 

初心に帰ろう!

と臨んだ四月下旬のお散歩句会・通信句会、5月1日の俳句研究会の句会

嬉しいことに、いくつかだけど選に入り、幹事さんの特選や師匠からの準特選まで頂いた。

 

俳句研究会で左隣に座ったすみれさんは、たぶん私よりはずっと句歴が長いけど、こちらの座では最近の方。

今回の披講が終わってみたら、すみれさんの句は一つも選が入っていなかった。冒頭にも書いたけど、これは結構きつい。がっかり・・・以上に堪える。私もつらかったから・・・

 

もちろん幹部会員や師匠の句だって、出句5句の中には選が入らない句もある。

師匠など、選の入らなかった自分の句を「これは名句です。名句は孤独なものです」といって笑いをとる。

でも師匠や幹部会員で、一つも選ばれないってことはまずない。

一句に5点以上入るのも珍しくない。

 

すると師匠は帰りがけに「すみれさん、この後如何ですか?」と飲み会にお誘いして、すみれさんもちょっとなら・・・と参加していらした。(私は体調がいまいちなので、その日はそのまま帰ってしまったけど)

 

多分すみれさんもアドヴァイスをもらって、次の句会では復活するんじゃないかな?

師匠にはどうか長生きして指導を続けてほしいと思っている。

 

この日、先生に準特選を頂いた私の一句

  暮の春雀の宿の停留所

春の暮は春の夕方をさす季語で

暮の春はもう春も終わりかかっている晩春をさす季語。

「動詞」「感情を表す言葉」も一つもないでしょう?先生はそこを評価してくれた。

・俳句に動詞はないほうがいい、あっても一つまで

・直接的な感情語はいれない

って師匠がいつも注意している言葉。

 

今回うっかりして感情語を入れてしまい、師匠に「最後のこの言葉があったから選が入れられなかった」と評された惜しい一句はこっち

 

 ちゃあちゃんも平戸躑躅の蜜が好き

 

ちゃあちゃん~蜜まで読んだときはすぐに選を入れようと思ったけど

「好き」がダメでしょう…と講評されて

「『蜜を吸う』では?」と聞くと「この場合は『吸う』ですね」と返された。

「吸う」か「好き」か迷っていたのよね~

でも「吸う」は動詞だからって「好き」にしたんだけど

感情語はだめってことついうっかりしたわ

    (「ちゃあちゃん」はみい姫の小さい頃の呼び名)

 

やっぱり選が入ると嬉しいし、励みになる

句会は楽しいわ~ラブラブ