飼い主さんの不在中にお世話していた

9歳のオス猫ちゃんが、

昨日虹の橋を渡りました。


胸水が溜まって息苦しくなってから

10日ほどで旅立ちました。

一度退院したけれど

最後はもうできる治療はなく

酸素吸入で呼吸を助けることくらい。


症状は改善できないから治療薬はなく

緩和させて進行を遅らせる薬を

処方され

継続的に与えないといけないはずが

獣医さんの説明を

飼い主さんが誤って解釈してしまい、

数日与えて具合が良くなったと判断し、投薬を止めてしまったそうです。


止めた翌日から飼い主さんは旅行へ


そして私が訪問した2日目には

苦しそうにお腹で呼吸し

口も開いて、目はうつろ。


飼い主さんに

ビデオチャットで様子を見てもらうも

大丈夫そうなので様子見てみます、

とのこと。

私は勝手に獣医さんに連れて行けません。

投薬指示があったことを知っていれば、

そこまで悪い状況だと知っていたら…


飼い主さんが帰宅した時にはもう

口から涎が垂れ

意識ももうろう。

最後、飼い主さんに会えるまで

頑張って待ってたんだね。


ガンによる胸水、

最後は獣医さんが触れるだけで

ショック状態になるほどでした。


なのでそのままでは

処置室から連れて来ることができず、

飼い主さんに会う前に麻酔を打ち、

その状態で飼い主さんの胸へ。

もう苦しみから開放されて

パッと見たところ、いつもの猫ちゃん。

寝ぼけてるの?って表情で。


獣医さんと私が席を外し

家族だけで最後の時間

5分後にもう一本、

心臓付近に注射を打ち、

数秒で息を引き取りました。


まさかの事態で、まだ気持ちが…

ぜんぜんダメだ…

獣医さんがね、私に何度も

通訳してくれてありがとうって

言ってくれたのに、救われました。


獣医さんのドイツ語の説明を

日本語にして説明するのだけど

投薬を止めたから死期が早まったという

獣医さんの言葉をそのまま訳せず。

飼い主さんに追い打ちをかけたら、

という思いから、つい

言葉を選んでしまい

結果的に私がその辛い現実を

一人で抱えてしまいました。

飼い主さんに本当のことを言えばよかったのか、分かりません。


旅立ちの場に立ち会ったのは

私の希望でした。

私が立ち会って見送りたかったから。

あのとき、苦しい姿を見て

何もできなかった私

後悔しても仕方ないけど

せめて亡くなった猫ちゃんに

心を寄せることはできるから。


ドイツ語で安楽死は、

einschläfernって言うんですね。

寝入るというeinschlafenと似てる。


もう苦しくないから

安心して天国に行くんだよ。

うちの、トム、もんちゃん、リカ

ヨワ、メルモ、チビ、ミーヨ、ムーニャ、クロ、みんな天国にいるから

仲良く遊ぶんやで!


こんな気持ちのまま、

明日日本へ出発します。

気持ち、切り替えねば。


庭の椿が咲きました。