お兄ちゃんと一緒の休みなのに、

お兄ちゃんと一緒にいない2日間。


ただ、耐えた。


でも、耐え切れず、電話を手に取った。


メールはもう

お兄ちゃんも何て返信していいかわからないだろうから

メールはやめて電話してみた。


出てくれた。


でも、お兄ちゃんの声、すごくつらそうだった。



どんなに私が明るく話しても

私が明るくなるほど

お兄ちゃんは黙り込む。


天気がいいから

散歩でもしない? なんて

微妙なおさそい。


もちろん

お兄ちゃんは黙り込んだ。


何を言っても

今のお兄ちゃんには

届かない。

響かない。

伝わらない。

わかってもらえない。


だから、

またねって

電話を切った。


それから、連絡はない。

連絡も、していない。



それで、ふと、思った。



このまま、お兄ちゃんのそばにいようと

一方的な連絡をし続けたら、

お兄ちゃんは、いつか私のことを

「キライ」になってしまうんじゃないか。


お兄ちゃんは、私のことを、キライになりたくないから、

一緒にいないようにしているのかもしれない、って…



この前、お兄ちゃんが帰るとき、

こちらの事情で返してもらっていた合鍵を

もう一度渡した。


お兄ちゃんは、受け取ってくれた。


お兄ちゃんの心が

もう私にないなら

きっと合鍵なんて受け取らない。


私たちは、別れたわけじゃない。

別れようと言われたわけでもない。

別れなければいけない理由もない。

それだけが救い。

そう言い聞かせた。

かろうじて切れずにつながっている赤い糸。

どうやって紡いだら元通りになるんだろう。


今わたしに出来ることは、

キラワレナイように、

お兄ちゃんの気持ちが落ち着くまで、

距離を置くことなのだろうか。