から続きます)

 

一日も早く人生を終えたい、と願いながらも、

 

いざとなるとその勇気も出なかった子供の私は、

 

中学、高校となっても相変わらず

 

父の顔色を伺いながら、鬱々と生活していました。

 

 

 

高校2年生の時に進路を決めるに当たり、

 

遠くの大学に入って家を出よう、

 

と考えていたところに、

 

不景気の煽りを受けて家業が倒産、

 

父からは「学費は出せない」と言われました。

 

進学するなら、親戚の会社に入り、

 

働きながら自分で学費を稼いで勉強しろ、

 

と言われましたが、

 

私は家を出る事だけが目的だったので、

 

親戚の会社に就職するなんて、

 

やはり父の支配下にいるのと同じですし、

 

その当時は学びたい事も特に無く、

 

(本当は芸術系の勉強をしたかったのですが、

 

当然、お金になるかどうかわからない分野は

 

両親に大反対され、ささやかな夢は潰えました)

 

 

 

将来何になりたい、などという夢も全く無く、

 

でも、少しは自由になれるかもしれないと考え、

 

就職することにしました。

 

 

 

そうすると、今度は

 

「家から通える会社にしろ」

 

という父の意向とコネにより、

 

就職先も決められてしまったのでした。

 

「お父さんの言う事を聞いていればいいんだから」

 

と言う母。

 

 

もちろんイヤだなどと言おうものなら、

 

また怒鳴られたり殴られるに決まっている。

 

振り返ってみたら、あの頃の私は

 

『ノミのジャンプ実験』

 

のノミそのものでした。

 

 

どんな実験かというと…

 

大きさ2㎜程のノミのジャンプ力は30㎝くらいあり、

 

自分の体長の約150倍もジャンプできるそうです。

 

このノミをコップに入れて、ガラスの蓋をすると、

 

外に出ようとして飛び上がるたびに頭をぶつけ、

 

それを何度も繰り返すうちに、

 

蓋にぶつからないくらいのジャンプしかしなくなる。

 

では、ガラスの蓋を外したらどうなるのか?

 

ノミは嬉々として飛び出す!

 

…のではなく、

 

外に出るのを諦めて、

 

コップの高さまでしか飛ばなくなる、

 

というものです。

 

(実際はこの実験のエビデンス等はないとの事ですので、

譬え話の寓話くらいにお考えください)

 

 

あの頃の私は、いわゆる「学習性無力感」

 

「学習性絶望感」の方が近いかも)

 

だったのだな、と知りました。

 

 

これは、たとえ努力をしても

 

思うような結果を得られない状況に

 

長期間置かれる事で、

 

その絶望感から無気力になる状態の事だそうです。

 

 

10代後半の、

 

一番希望に溢れているはずの年頃だった私は

 

コップの中に閉じ込められたノミそのものでした。