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虹羽(こう)です。
今日、8月15日は終戦の日ですね。
この日になると思い出す、
小松左京の恐怖小説、
『くだんのはは』。
「くだん」とは、最近の“預言獣”ブーム?で
アマビエと共に知られるようになった妖怪で、
人の顔を持つ牛の姿とされますが、
関西方面ではミノタウロス型、
牛の頭をした人間の姿で目撃されることが多いようです。
厳密には人面牛身のものを「くだん」といい、
牛面人身のもの(牛娘や牛女)とは区別するそうです。
「くだん」は昔から目撃情報が伝えられていて、
瓦版の記事にもなっていました。
江戸時代から目撃?されていたんですね。
「くだん」について、昨年の今頃も、
こんな記事を書いてました。
(どんだけ「くだん」好きなのワタシ)
そんな「くだんLOVE」な私、
最近チャンネル登録しているYouTube番組の
オカルトエンタメ大学で
「くだん情報」をアップデートできました!
東雅夫さんは、以前から大好きな編集者さんで、
(現在はフリーランスになられたそうです)
氏によるアンソロジーは何冊も読ませていただいていましたが、
今回なんと、ご本人が取材と考察を重ねられ、
「くだん」を学術的に分析した著書を上梓されました!!
『クダン狩り:預言獣の影を追いかけて』
動画を拝見しましたが、
今までなんとなく不思議に思っていたけれど、
そのままになっていたことがクリアになったりして、
とても面白かったです!
たとえば、なぜ「牛娘」は裕福な家に生まれるのか?
に関しては、『遠野物語』にも描かれた
座敷童(ザシキワラシ)伝承の発祥と同じものではないか、
とお話しされています。
つまり、村一番の裕福な家は何か悪事を働いて、
儲けたからあんなに裕福なのだ、
その罰で妖怪(座敷童)が家に住み着くのだ、
という嫉妬や僻みから決めつけたものですね。
そう、本来の座敷童は決して幸せを招く福の神ではなく、
「犯罪で裕福になった家に住み着く化け物」なのです。
これに関しては柳田国男の『遠野物語』よりも、
佐々木喜善『聴耳草子』の方に、
より土着の実話として描かれています。
また、「くだん」から連想できる「牛鬼」ですが、
こちらも西日本で多く伝承されていて、
主に水辺に出没すると言われています。
東氏によると、これは雨乞いの呪術儀礼で
古くは『日本書紀』にもあるように、
牛を生贄として湖沼など水に沈めていたことから、
その影響で牛鬼は
水辺に現れるようになったと考えられるとか。
そして、言いたいことが言えなかった戦時中、
人々は日本が負けるとわかっていても、
憲兵に睨まれないよう、
「くだんがこのように終戦を預言した」
と、代弁者として
「くだん」を利用したとも考えられるなど、
非常に興味深かったです。
こうしてみると、「くだん」が語られる時代によって
それぞれの世相が垣間見えてきますし、
動画だけでも推理小説の謎解きのように面白い!
大好きな「くだん」に関しての情報を
かなりアップデートしてくれました。
(ちなみに東氏の「アマビエ」に対するお考えも、
私もまったく同じでしたので溜飲が下がりました!)
これは是非とも御本を読まなければ!!