こんにちは。

人間の体は毎日少しずつ作り変えられ、皮膚や血液、腸などは独自の周期で新陳代謝が繰り返されていることをご存じですか?

今の自分の体と、1年前の体とでは、自分では気づかなくても細胞レベルで大きく変わっており、まさに劇的な変化が起こっているのです。

体を作り変える材料になる栄養素の中で、特に重要なのがタンパク質です。

タンパク質が不足すると筋肉量の低下や、肌や髪のトラブル、免疫力の低下など、多方面に悪影響を及ぼします。

タンパク質を分解してアミノ酸として吸収するには、胃酸の分泌が必要不可欠です。

食後に胃が重くなる、肉や魚を食べるとお腹が張るといった症状が続く場合は、胃酸分泌が充分ではない可能性があります。

赤い色素を含むビーツを食べて、その後、尿が赤くなるかどうかを観察するビーツ尿テストというものがありますが、これはあくまでも参考程度の指標です。

血液検査の数値であるAST(GOT)やALT(GPT)が低すぎる場合、またはBUN(尿素窒素)などの数値が基準値を下回る場合は、タンパク質摂取量や代謝に問題がある可能性があります。

総タンパク質やアルブミンが標準値より低い場合も、長期的なタンパク質の不足や吸収不良を示していることがあります。

これらは、個人によって適正値に差があり、検査機関の基準によっても変わるため、数値だけで判断せずに専門家にも相談することが大切です。

タンパク質が不足すると、筋力の低下や、肌や髪のダメージ、爪が割れやすくなるなど、外見に顕著な影響が出やすくなります。

さらに貧血や集中力の低下、疲れやすい、気分の落ち込みなど心の不調が起こる可能性もあります。

これらがいくつも重なっていれば、食事内容を見直してみると良いでしょう。

タンパク質の1日に必要な量は、体重×1.2〜1.5gが目安です。

仮に体重が50kgであれば、60〜75gほどを摂取するのが理想的です。


健康維持には、質の良いタンパク質を選ぶのも大切です。

では、質の良いタンパク質とはどのようなものでしょう?

卵や鶏胸肉、牛の赤身肉、魚はアミノ酸スコアが高く、必須アミノ酸をバランス良く含んだ優秀なタンパク源です。

植物性タンパク質である大豆や蕎麦などアミノ酸スコアがやや低くても、ご飯に納豆、蕎麦に卵など、組み合わせを工夫すれば不足するアミノ酸を補うことができます。

そして、消化吸収を助ける食材や調理方法を取り入れることで、胃腸への負担を減らしタンパク質を無駄なく活用できます。

例えば、梅干しやレモンなどの酸味、しょうが、にんにくなどの香味野菜には胃酸分泌を促して、タンパク質の消化を助ける働きがあります。

キャベツや大根おろしに含まれる酵素も、消化のサポートをしてくれます。

加熱をしすぎず、煮込みや低温調理で柔らかく仕上げることで胃腸への負担が少なくなります。

タンパク質の摂取のタイミングとしては、一食あたり20〜30gを目安に、小分けにして摂ると腎臓への負担を減らして効率よく吸収できます。

また、運動後の30分間は筋肉の合成が活発化するため、プロテインや卵、鶏胸肉などを摂取すると効果的です。

食事だけでは不足する場合には、ホエイやソイプロテインを補助的に利用するのもよいでしょう。

ただし、これはタンパク質に限らずですが、過剰摂取にはご注意ください。


体が作り変えられる過程で、タンパク質は欠かせない基礎栄養素です。

ただ漫然と摂取するのではなく、工夫を重ねることで筋肉や肌、髪の毛だけでなく、免疫力や気分の面でも変化を実感できることでしょう。

最後まで読んで頂きありがとうございます。