「山色清浄心(さんしょくしょうじょうしん)」
悠然とした山の姿がそのまま清浄な仏のこころに他ならないという悟りの境地。
 雄大な山の連なりだけでなく、谷川の水の流れも、芽吹いた若葉、陽に輝く青葉のすべてが大自然の懐に抱かれている。

 

 

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 山は神が住む聖なる場所であり、十戒を拝受したシナイ(ホレブ)山、古代ギリシャの神々が住まうオリンポス山、富士山、俗世と隔絶した修道院が建てられたのも、見上げる高い場所だった。
空中都市マチュ・ピチュも天に近い。
神隠しも天狗の民俗伝承の山奥は異界であった。

 2つの大陸のプレートが衝突して、地殻が圧縮されて山が誕生する場合と、海底の地殻の沈み込みで火山活動が起こり、山が現れる場合がある。この変動は百万年から一千万年の時間の単位軸。

 遥かな時間をかけて、立ち現れた山は風雪に耐えて、悠然とそびえ立っている。山はすべての歴史、時間を眺め、見て、知って、その重さを受け止め、存在している。

 不動の静寂な揺るがない重心。想像するより遥かに大きく深い!