ジブリだと思ったら、新海誠監督。
携帯小説か、と思うイラストのタッチ。優しく、やわらかく、シンプルで、軽やかな色使い。
泥臭さがない。派手な色味を抑えたパステル調。
(若い子が好みそう)、ゲームアプリを見ているような感じ。

(キラキラ、軽薄さだけではないなぁ〜)と、認識を改めたのは、田舎の街並み、神社の風景の描写のリアルさ。
風景の映像がキレイで、癒されてました〜♡
ただ、ストリーのテンポは早く、「時をかける少女」を彷彿させた。暗転や切り替わりが、早い。

 そりゃ、都会に憧れるよね〜
東京は便利で、華やかだけど、立花の家の中は、雑風景な感じ。友達もいて、バイトもして、自由だけど、
家庭の温かみといったら、宮水三葉(みやみず みつは)の方が感じるな〜

 わたしが、違和感を感じたのは、入れ替わった直後の様子を、楽しみに、目を凝らして見たけど、本人たちは、戸惑うが、周りは、入れ替わったことに、あまり気がつかない。
家族、特に、母親なら、(???)と、気がつきそうなものだが…
 愛犬を同じ血統書の犬と交換しても、遊んでいるうちに「あれっ?」となりますよ~(実話)
宮水家は不思議な因縁を持つ由緒ある家系だけど、かっちりし過ぎていないのかな〜?割と放任、のびやかなのかな~?

高校生の男の子が、女の子に入れ替わった時の反応は、面白いが、
三葉の妹の反応が、リアリティに欠けていた。女性同士なら、お胸の話題に関しては怒らないはずだから…

何回も…だったら、妹は、探りを入れてくるはずなんだけどな〜? 女性同士で言う(…)、そして、(どれどれ?)と嫌がるのを、触ろうとするはずだから。女同士の方が、意外と、ボディチェックの目はお互い口には出さないが(小ぶりでも形がいい) (大きいけど、垂れてる) (離れてる~鳩胸) 厳しいぞ~!
 監督が、男性だから、やっぱ男性目線だな〜!お胸を見た時の反応が~(笑)

 さて、真面目な話に、戻して、
 私たちと関係なく、勝手に、日常生活が流れているのではない。右に行こうが、左に行こうが、関係なく、世界は回っているのではなく、
「奥寺先輩と仲良くし過ぎないこと」など、互いに起こった出来事を、スマホや日記にメモを残している。

 三葉と立花龍(たちばな たき)を結びつけるのは、組紐。ミサンガではない(笑)

 入れ替わるだけではなく、龍は、三葉に会いに行こうとする。
そこで、衝撃的な事実を知るわけですが…、

 

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 必然の糸。つなげると星座になっていく。

 「糸守村が、隕石落下で消える‼」
2つの時間軸が、同時期に絡み合う。過去は現在であり、現在は過去でもある。
 龍の方が、3年先のタイムラグがある。三葉は、どうやって、スマホのメモ機能を使いこなしたんだろうな?3年前には、確か、指でタップする機能は、なかったはずだぞ!

 「過去は変えられない。変えられるのは、未来」ラグビーの五郎丸が座右の銘としている言葉ですが、
「君の名は」は、過去の選択により、現実が逆転しました。死者多数から、死者ゼロに。

 実は、田舎の、の~んびりした感じに、隕石落下のカウントダウンが迫っているのに、ものすごく、イライラが募ったんだな。(未来を予見しても、意味ないじゃん?)ってね。
どうやって、避難したのかな〜?
 のんびり、まったり、神社祭を楽しんでいて、急に停電になって、漆黒の闇が広がったんだよね〜
普通は、そこで、パニックでドミノ倒し、事故発生の可能性強いんだけどな〜

 そもそも、謎を解いたのは、糸守村の末路を変える鍵を見つけたのは、龍。司、奥寺先輩、高山のラーメン屋のおじさんの協力もあるが…

 「三葉という名前の由来はミヅハノメ、水の女神から来ている」と新海監督はtwitterでつぶいている。
ミヅハノメとは、『古事記』では弥都波能売神(みづはのめのかみ)『日本書紀』では罔象女神(みつはのめのかみ)と表記する。
龍(たき)は、水を司る神、龍神からくるのかな?

 分離。失われた片方を求めるギリシャの考え方がある。補完性。
東洋思想では、男は火、女は水の性質を持ち、相互作用で化学反応が起こるという。
北斗の拳の「森羅万象、二極一対、陰と陽、男と女、表裏一体となれば、天下平定する」だね。
自然万物のあらゆるものに神が宿る。八百万(やおよろず)の神だもんな〜

 海外の人に、
「ローマが、征服した地を支配するために、宗教、神様を認める寛容政策をとったのとは、違って、
日本人の、もともと持っているDNAなんだよ。
南米やフィリピンの土着信仰とも違う」
と、説明に苦戦するので、
 この映画を見せれば、海外でのアニメブームもあって、自然に、日本人の感性を伝えることができるだろう。

 邂逅というのに、ふさわしい、一目見た時から、なつかしい感じ。初めて、会ったのに、前に会ったような気がする。
龍も三葉も、あの時から、成長し、大人になり、姿形が、変わっている。あれ以来、連絡を取り合ってはいないから、接点はないはずなのに…

 伏線が張り巡らされているので、何回も見ないと、読み解けないかも知れない…
その、見えない、はり巡らされた糸を辿って…
どんな模様(組紐)が見えるんだろうな〜

 「君の名」は、マイケル・フォックス主演の「バック・ツー・ザ・フューチャー3」によく似ているよ〜!ただ、「バック・ツー・ザ・フューチャー3」が単なるタイムマシン、時間軸を飛び越え、行きたい時間軸に行ける、冒険的な要素が強いのに対し、「君の名」は、忘却の彼方にある記憶を呼び覚ますかのような、何かをしなきゃいけないような気にさせてくれる。「バック・ツー・ザ・フューチャー3」は整合性、「歴史を変えてはいけない!」に意識(重点)があるのに、「君の名」は、観客席なら、舞台で何が起ころうがどうすることもできない、だが、時空を飛び越え、出会うことによって、手を触れることができない、過去や未来に触れることができる。舞台に上がって、「歴史を変える」ために行動できる。出会いたくて、忘れたくなくて…といったような疼きを感じさせる。