シロが来ました。


年末が近づいてからシロは相当忙しいようで、メールの返事も殆ど返って来ない有様。

年越し前に会いたいし、プレゼントをあげようと決めたから、遊びに来る約束をキャンセルされたら嫌だなあと思いながら、でも同時に、シロは出来ない約束はしないし、一度約束をしたら全うするように努力する人だから、私はただ準備をして待っていればいい、と信じていました。


私は、元の予算をオーバーしてしまったけど、プレゼントする自分が満足できるきちんとした送り物を選びました。

ルール違反だけど、シロは本命じゃないので、その辺は問題なし。

会社帰りに有名店でケーキを買って、お風呂に入って、メイクを直して、掃除。

それから夜ご飯作り。

シロからもともと聞いていた時刻を過ぎても連絡は無かったけど、それでも気にせず待っていたら、予定到着時間の一時間後に電話が来ました。

「ごめん、連絡できなかった。今から行く。ごめんな」と。

仕事が終わらなかったのだろうなあと思いました。

忙しいのに時間を割いて会いに来てくれるのだから、謝られると却って恐縮してしまう。


「私はいつの間に、こんなにしぶとくなったのだろう」と、ふと思います。

昔の自分だったら、彼から約束の時間の前に連絡がないだけで、それはそれはやきもきしていた。

まして、時間を過ぎてもなんの音沙汰もなかったら、きっとしつこくメールをしていたと思う。

…そして、男の人をウンザリさせていた。


でも、いつのまにか、私はただ待っていられるようになった。

来てくれれば、それだけでいいと感謝するようになった。


シロと付き合いが長くなって、知り合った最初の頃と比べて彼に対する気の持ち方を学んだ部分もある。

私自身が男の人を信じられるようになったのもある。

そして男の人に過度な期待をしないようになったのもある。

ルールズやジョングレイの本を読んで、追いかけずにただ待つことを学んだからでもある。

まとめると、私は数年前と比べてずっと心が成長したのだと思う。


たくさん泣いて、身体が引き裂けるような思いを何度もして、その代償のように私は今成長してここにいる。

それはとてもとても感慨深いことです。

生き続けていて良かった心からと思う。



さて、シロがやってきた頃には夜ご飯のカレーがほぼ出来上がっていたので、部屋に入ってきたシロは最初に

「旨そうな匂いだな~」と言いました。

『その言葉が聞きたくて、今日はカレーにしたの』と思いました。

仕事漬けでおなかを空かせた彼が、カレーの匂いを嗅いで喜ぶことを想像しながらお料理していたのですから。


シロの話しを台所で聞きながら仕上げをして、ご飯の時間。

私は料理に不慣れで、いつも手際が悪くて食事までに待たせてしまうから、連絡を待たずにカレーを作り始めていてよかった。タイミング良くお料理を出せてよかった。

カレーは今のところ一番の得意料理なので自信はあったのですが、それにしても予想以上にシロが気に入ってくれたので良かったです。ルーを使わないのだけど意外とお手軽に作れるし、何度も作ったことがあるので失敗の恐れもなし。

今までもシロが来る時は美味しいって言ってもらえるような、ちょっと変わった料理や、こだわった味付けの物を作って好評を得ていたのだけど、今回は

「店で出すならいくら取れるかな~」なんて言い出されて、お店に出すとか考えるレベルまで気に入ってくれたの!?とちょっとびっくりしました…(シロの仕事の一環で六本木にお店があるのです)。

食後に出したケーキも、こだわりのお店で買ったものだったので、まずまずの反応。近所のケーキ店で済まさなくって良かったって思いました。


そして、なによりプレゼント!

もともと外す気はほとんどなかったのだけど、何が欲しいとか言った希望は全然聞いていなかったので、ちょっとドキドキしながらプレゼントの包みを渡しました。

でも、ちょうど一番必要としていたもの。そして機能性もデザインも備えていたので、見事に気にいってもらうことができました。

「よくわかったなあ、こういうの欲しかったんだ」

「機能性は大事だね。俺、デザインが良くても機能性がないと全然使わないから」

「色もいい。最近の俺は暖色系の服が多いからぴったり。うん、これは使うよ」

彼が喜びの声をあげる度、買ってよかったなあ、手を抜かないでよかったなあ、って噛み締めました。

そして自信も、噛み締めた。


シロ。

私がどれだけ貴方のことをわかっているか、ちゃんと理解できてる?